トランス・カリオフィレン(TC)による皮質2型カンナビノイド(CB2)受容体の活性化は、虚血性脳障害からの回復を有効に促進することができることが、ザ・アメリカン・ジャーナル・オブ・パソロジー誌に掲載された研究で明らかになりました。

TCはカンナビス・サティバ草のエッセンシャルオイルに含まれますが、通常のカンナビノイドとは構造が非常に異なるテルペンです。精神活性的な副作用はありません。

研究者らはインビボおよびインビトロ動物モデルを用いた実験を実施し、TCが局所貧血から脳細胞を有効に保護することを発見しました。

脳虚血は脳への血流不足によって起こり、血管性認知症という形で修復不可能な損傷を引き起こすことがあります。LAにあるカリフォルニア大の研究者によると脳虚血はかなり致命的で、虚血性脳卒中患者の約62%が12ヶ月以内に再入院し、15%が入院して1ヶ月以内に亡くなります。

酸素不足のラット皮質ニューロンおよび神経膠で構成される細胞培養において、TCは神経損傷およびミトコンドリア脱分極を軽減しました。

研究の筆頭著者であるソウル、高麗大学校医科大学神経科学部のウォン・キ・キム博士は次のように述べました。

「我々の知る限り、本研究で提示されたデータは正しく評価されていなかった局所貧血における皮質CB2Rの役割、特にニューロンCB2Rの役割を初めて裏付ける証拠を提供する。本研究は、脳卒中治療に対する予防薬および治療薬としてTCの臨床的有効性を確立するためにさらなる研究が必要とされることを示す」

この研究では、CB2Rがどのように神経保護を促進できるかが示されました。科学者は、ラットの右中大脳動脈の血流を塞いで虚血性脳卒中の効果を再現し、TCを用いた治療(閉塞から3時間)が治療効果をもたらすか観察しました。一部のラットはCB2RアンタゴニストのAM630を投与されました。

結果は極めて有望で、TC治療薬だけを投与されたものは24時間以内に血流が通常どおりに戻りました。

脳卒中の翌日、研究者はラットの脳を取り出し、脳水腫の梗塞領域の量を測定しました。

対照脳および虚血脳の双方の皮質においてCB2Rの証拠が見つかりました。研究結果は、CB2Rが脳皮質に間違いなく存在しているという事実を最終的に明らかにしました。これまでは決定的ではないとされていました。

TCは単体で、浮腫を51.9%軽減し、また浮腫サイズも53.8%減少させました。また、神経損傷ならびに細胞内酸化ストレスの軽減に役立つことができました。とはいえ、Am630とともにTCを投与した場合、CB2RアンタゴニストはTCの神経保護効果を無効にすることが分かりました。

TCはまた、cAMP応答配列結合タンパク質(CREB)リン酸化反応も促進したほか、虚血組織における脳由来神経栄養因子(BDNF)の表現も増加させました。

この研究結果は画期的で、虚血性脳障害の治療におけるTCの治療特性を示しています。さらなる研究が必要だと研究者らは述べています。

参考:MedicalNewsToday