自然発生カンナビノイドの発見

自然発生カンナビノイドの発見

脳などの組織にカンナビノイド用の特異的受容体が存在する事実は、それらが何らかの理由をもって存在していることが暗にほのめかしている。

受容体は植物から得られる精神活性薬を認識するためだけに発達したわけではない。これは、アヘン剤受容体がモルヒネやヘロインを認識するためだけに脳内に存在するわけではいのと同じ理屈である。

1970年代の脳内でのアヘン剤受容体の発見は、化学者たちがこの受容体を通常活性化させるはずの脳内自然発生物質を熱心に探し求めるきっかけとなった。そしてこの結果、エンドルフィン(内因性モルヒネ)として知られる脳内ペプチドのグループの存在が明らかになったのである。同様にして大麻受容の発見は、自然発生カンナビノイドの探求の足掛かりとなった。

いくつかの研究室がこの問題への取り組みを始めたが、最初に解答にたどり着いたのはイスラエルのラファエル・メクラムとその仲間たちの研究室だった。彼らは30年前、大麻中に存する主たる活性成分をとしてTHCを初めて記述したことで知られていた。

メクラムらはブタの脳からの抽出物を使い、試験管を利用してCB-1受容体分析で放射性同位体の標識を付けたカンナビノイドの結合に代わりうる自然発生物質を探し求めた。

その際、THCと同様に水ではなく脂肪に溶ける科学物質に焦点を当てた。彼らは微量の脂肪誘導体を単離することに成功し、それは試験管を使った受容体分析で活性を示すものだった。

メクラムからこの物質の一部を送られたスコットランド・アバディーン大学のロジャー・パートウィーは、THCやこれと同族のカンナビノイドのための簡単な生物学的分析法を開発した人物だったが、この分析法はTHCなどのカンナビノイドが気管培養液中のマウスの筋肉の収縮を阻害する能力を測定することはよって行われていた。

新たに単離された化学物質はこの試験で活性を示し、THCと似通った生物学的活性をもつことが確かめられた。

これに勢いを得たイスラエルグループは、ブタの脳からより多量の物質を抽出し、その化学構造を突き止めた。

彼らはアラキドン酸という脂肪酸の誘導体であることが判明したこの物質を、私腹を意味するサンスクリット語アーナンダにちなんでアーナンダミドと命名している。

アーナンダミドはかなりシンプルな物質で、化学者たちによってさらに大量にたやすく合成することが可能だった。このカンナビノイドについてはこれまでに多くの研究が行われ、この物質がさまざまな動物モデルにおいてTHCがもつほとんどすべての薬理学的・行動学的活性をもつことが確認されている。

ただし動物投与された場合に大きな効力を示さないのは、急速に活性を失ってしまうためである。アーナンダミドは人を含むこれまでに試験されたすべての哺乳類の脳に存在している。

現在までに多くのアーナンダミドからの合成誘導体が作られて試験され、そのうちいくつかはメタナンダミドのように、強い効力と安全性をもつ点でメリットを有している。

しかし、これらがいずれ医療現場で使うことのできる改良型カンナビノイドの開発につながっていくのかどうかは、今後の課題である。

アーナンダミドの発見でこの話は終わらない。メクラムらは周辺組織でアーナンダミドはやその他のカンナビノイドを探し続けた。その際、実験材料として犬の腸を使用している。彼らはアーナンダミドを突き止める際に使った手法によって、第二の自然発生カンナビノイドを単離することに成功したが、これもまたアラキドン酸誘導体で現在2-アラキドニルグリセロール(2-AG)として知られるものである。

この物質も合成されて、丸ごとの動物を使った行動モデルを含む、さまざまな生理学的試験で、THC様の活性をもち、アーナンダミドと似た効力を示すことがわかっている。

初めのうち2-AGは周辺組織に存する主たる自然カンナビノイドと考えられたが、のちにカリフォルニアのダニエル・ピオメーリらは、2-AGもまたラットの脳内に存在し、その数もアーナンダミドよりはるかに多いことを報告している。

2-AGはさまざまな生物学的試験でアーナンダミドとほぼ同じ効力を示していることから、脳内でも周辺組織でも、アーナンダミドも2-AGも、脳内や周辺組織における大麻受容体の自然活性剤で、しかもその生成はそれぞれ別個にコントロールされている可能性がある。

おそらく、脳の部分によって、また周辺器官の種類によって、どちらか一方がもう一方より重要ということになっているものと思われている。自然のカンナビノイドのコントロール・システムについての詳細は、つい最近その一部が解明されはじめたばかりである。

これらの発見で、科学者たちはこの研究領域に対する見方を根本的に変えることになる。それまでは脳内における精神活性薬THCの働きを薬理学的に研究していたが、しばしばカンナビノイド系と呼ばれる独特の自然コントロール・システムについて、生物学的研究がはるかに広範に行われるようになった。

カンナビノイドは、もとは大麻からの抽出物中に存する21個の炭素からなる物質を指す言葉だったが、現在ではカンナビノイド受容体によって特別に認識されるあらゆる化合物を指して使われている。

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出典:マリファナの科学