2つの脳内マリファナと受容体の発見

アサのカンナビノイドがどのように作用するのかは、長い間不明であった。1988年のセントルイス大学のアリン・ハウレットらがTHCの誘導体に放射性標識をつけてラットの脳のどの位置に結合するかを探ったところ、のちにカンナビノイド受容体(CB1)と呼ばれる受容体に結合することが明らかになってから大きな進展があった。

1990年にアメリカ国立衛生研究所のリサ・マツダがCB1を符号化する遺伝子を単離することに成功し、それから内因性のカンナビノイドが探索が行われた。また、1993年には、ケンブリッジ大学のショーン・マンローがCB1に類似しているが、別物のCB2遺伝子を単離することに成功している。

これらの受容体の発見は、ちょうど1970年代に植物のケシから取れる化合物であるアヘンや精製したモルヒネの受容体の発見がエンドルフィンという脳内麻薬の発見につながったのである。つまり、外部から取り入れたモルヒネは、もともと体内にあった脳内麻薬に対する受容体に作用しただけであることがわかった。

THCとCB1及びCB2の間にも同じようなことが起こっていると推測され、1964年にΔ9-THCを同定したメコーラム博士が、1992年にCB1と結合する小さな脂肪酸を発見し、これがTHCと同じ活性を示すことをつき止めたである。メコーラム博士はその分子をサンスクリットス語の至福を意味 するアーナンダから、アナンダミド(N-アラキドノイルエタノールアミン)と名付けた。

ところが、このアナンダミドは生体内に存在する濃度が低く、カンナビノイド受容体だけでなく、唐辛子の成分であるカプサイシンの受容体(バニロイド受容体:TRPV1)にも作用し、CB1に部分作動薬としてしか作用せず、CB2にはほとんど作用しなかった。
このことに目をつけた帝京大学薬学部杉浦隆之教授らは、2-AG(2-アラキドノイルグリセロール)がCB1と結合することを発見したのである。

同時期に前述のメコーラム博士らも2-AGがCB1及びCB2と結合することを発見しており、この2つの報告は、日本で行われた1995年の国際神経化学会の脂質に関するサテライトミーティングで同時に発表されて話題となった。カンナビノイド研究の世界的権威があるメクラム博士と同時に日本人研究者が発見した事実は日本の研究レベルの高さを物語っている。

そのあとの研究では、アナンダミドよりも2-AGの方が生体内の濃度が数百倍高いことやCB1及びCB2の完全作動薬であることから、真の内因性カンナビノイド=脳内マリファナと考えられるようになった。

カンナビノイド受容体の分布

カンナビノイド受容体は、Gタンパク質共役型受容体という細胞膜を7回貫通する構造をもち、CB1とCB2の2種類がある。CB1は、主に脳を構成する中枢神経系にあり、CB2は免疫系の細胞にある。CB1は、脳以外にも精巣、輸精管、子宮、肺、小腸、血管平滑筋細胞、血管内皮細胞など様々な臓器と細胞がある。

Δ9-THCが様々な作用をもたらすのは、CB1の分布を見るとよく理解できる。CB1が活性化されると、食欲の増進、痛みの軽減、筋肉けいれんの緩和などに効果があり、いわゆるマリファナを吸引してハイになる精神作用をもたらすのである。

一方、CB2は脾臓,扁桃腺、リンパ節に多く、自然免疫を担う好中球、好酸球、好塩基球、マグロファージ、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、また、獲得免疫を担うB細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞の核免疫細胞上にも発現している。

最近の研究では、T細胞以外には、カンナビノイド受容体CB1のほうもCB2より数が少ないが、発現していることが明らかとなっている。CB2受容体の活性化は免疫と炎症反応に関連し、精神作用は起こらない。

出典 : カンナビノイドの科学

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