CBDが癌誘発エンドカンナビノイド受容体GPR55の作用を無効にする可能性

CBDや医療大麻を使用しているなら、エンドカンナビノイドシステム(ECS)についておそらく目にしたことがあるでしょう。ECSはヒトの生理学的活動を調整するだけでなく、THCやCBDといった大麻草に含まれる化合物から直接影響を受けることができます。

しかしもう一つ、科学者らを困惑させているGPR55と呼ばれる受容体があります。GPR55はより定着している他のECS受容体のように体内のバランスを生み出すのではなく、むしろ癌細胞の転移や腫瘍の成長を助長するようです。科学者がGPR55を阻害する方法を調べているのも不思議ではありません。そしてCBDが主な候補であるようです。

エンドカンナビノイドシステムとは?

エンドカンナビノイドシステム(ECS)は、1990年代に大麻の精神活性成分THCがどのように作用するのか調べる研究の中で発見されました。その後まもなく科学者は、脳ならびに中枢神経系に分布するエンドカンナビノイド受容体(CB1)のネットワークを発見し、ほどなくしてその受容体に結合する2つの大麻のような化学物質アナンダミドと2-AGも発見しました。次に発見されたのは、末梢神経系、免疫系ならびに内臓に存在する別のタイプの受容体(CB2)で、これをもってエンドカンナビノイドシステムは完成したように考えられました。

ECSは体内のバランスを取り戻すため、過剰または過少な活動に対してエンドカンナビノイドを放出することによって反応する、生理学的な減光スイッチのように作用することに科学者は気づきました。またほぼ全ての病態において、恒常性を取り戻そうとする体に起因する、何らかのエンドカンナビノイド活動があることが観察されました。

癌の場合、CB1受容体とエンドカンナビノイドは抗腫瘍作用を持つようです。これはTHCが同様の抗がん作用を見せると考えられている理由の一つです。

しかし、最適な健康を維持するように作用する代わりに特定のタイプの癌を引き起こすように見えるGPR55受容体が発見されました。

GPR55受容体

1999年に特定されたGタンパク質共役型受容体55はGPR55とも呼ばれ、GPR55遺伝子によって人体に符号化された受容体です。特に骨、心臓、肺、消化器官、肝臓、腎臓、膀胱、子宮、神経組織など、身体中の組織に存在します。

科学者ははじめ、他の特定された受容体(この場合はエンドカンナビノイド)に似た構造を持つことを意味するオーファン受容体と名付けましたが、GPR55の内因性リガンド(結合分子)はまだ特定されていませんでした。

しかし、現在はGPR55がリゾホスファチジルイノシトール(LPI)やエンドカンナビノイドのアナンダミド、植物性カンナビノイドTHCによって活性化されることが分かっています。重要なことに、GPR55受容体はカンナビジオール(CBD)によって阻害されます。GPR55受容体の時に困った作用を考えた時、これは特に重要な意味を持ちます。

GPR55は今やもう一つのエンドカンナビノイド受容体と考えられているにも関わらず、CB1やCB2受容体と比べると、その体内における役割は全く知られていません。

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GPR55と癌

科学者は、卵巣癌、乳がん、前立腺癌、皮膚癌、頸癌、肝臓癌、血液癌、すい臓癌、胆管癌といった特定の癌においてGPR55受容体活動が増加するのを観察しました。またGPR55が癌細胞の再生を促進することを示す研究もあります。

スペインにおけるカンナビノイドおよび癌の先駆者であるクリスティナ・サンチェスとそのチームは、「ヒトの腫瘍における高度GPR55発現が、進行性基底/三種陰性乳癌の患者集団、高確率で転移を起こす可能性、予後不良と関連している」ことを発見しました。また、GPR55受容体がこの特定のサブタイプの乳がんに対するバイオマーカーとなる可能性があるだけでなく、その発現を阻害するように薬剤が開発された場合の治療標的となる可能性も示唆しています。

最新の論文では、GPR55の癌促進的な役割をいくらか説明しています。昨年インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー誌に発表された研究で、GPR55を持つ野生のマウスとGPR55を持たないよう交配されたマウスの全身腫瘍組織量(癌細胞数、腫瘍の大きさ、体内の癌の数)を比較しました。GPR55受容体をもつマウスはそうでないマウスよりも50%腫瘍が多く、これはGPR55が白血球量を変化させることによって腫瘍を促進させる環境を作ることに起因すると研究者は考えています。研究チームは次のように結論づけました。

「健康な結腸と比較した際、CB1が炎症の起きた非腫瘍において上方調整され、腫瘍病巣において下方調整された一方で、GPR55は非腫瘍組織において下方調整され、腫瘍において上方調整されました。これらの研究結果は、結腸腫瘍増殖は、腫瘍を促進させるGPR55の存在および腫瘍抑制性をもつCBDの欠如によって促進されるという仮説を裏付けています」

CBDとGPR55とてんかん

GPR55を阻害する薬剤の発見は、特定のタイプの癌に関する刺激的な治療標的となるのでしょう。

2011年にモレキュラー・エンドクリノロジー誌に発表された論文で、研究著者は次のように述べています。「GPR55アンタゴニストは腫瘍増殖の原則、血管形成、癌の痛みにおいて有益であると証明される可能性があります」アンタゴニストとは、GPR55に結合するのではなくシグナル伝達を阻害する化合物のことで、最も研究が進んでいるアンタゴニストの一つがCBDです。

科学者らはすでに前臨床研究から、CBDがラットの細胞培養においてさまざまなタイプの乳がん細胞の成長を選択的に阻害すること、身体の他の部位への転移抑制、甲状腺癌における癌細胞の死(アポトーシス)の促進といった多様な抗がん効果を引き起こすことを知っています。しかしこれまでのところ、これらの抗腫瘍効果がCBDニヨルGPR55阻害作用に起因することを証明した研究はありません。

CBDの治療効果が科学的に証明された別の健康状態にヒントがあるかも知れません。2016年、CBDによるGPR55阻害作用がカンナビノイドの抗痙攣効果を調べた、GWファーマ社が出資した論文が発表されました。研究者は、GPR55の主な結合分子LPI値の増加が、発作時によく見られる興奮性シナプス伝達と一致したのを観測しました。また、CBDの投与がこの神経興奮を抑制したことも発見しました。これは有名なCBDによる発作抑制効果の主要因である可能性があると、科学者は考えています。

この研究結果は、CBDが高度GPR55発現に関連する癌促進的条件も逆転することを証明してはいませんが、GPR55受容体を阻害することによって確かに体内で生理学的変化が生じることは示しています。

GPR55は必ずしも悪者ではない

しかし、GPR55に関する話はこれで終わりではありません。サンチェスがGPR55受容体の癌促進特性を発見したのと同じ大学で、別の科学者チームが神経変性疾患に対する潜在的な治療標的としてGPR55の研究を始めました。しかし、GPR55を阻害する方法ではなく、神経保護剤としての作用を調べています。

コンプルテンセ大学の生化学および分子生物学教授ハビエル・ルイスは、GPR55欠乏マウスがどのように筋萎縮性側索硬化症(運動ニューロン疾患)によく見られる神経学的欠損である運動障害を発症したか説明しました。それだけでなく、GPR55の活性化が“ニューロンの完全性を保護”することも分かりました。これは分かりやすく言えば「神経保護的である」という意味です。

ルイスの研究チームはまた、GPR55がALSやその他神経変性疾患患者の中枢神経系でGPR55が変化する証拠も発見しました。これによりチームは、しばし人を困惑させる受容体に関する初期研究を立ち上げました。

繰り返しますが、科学的物語は単純ではありません。一方でGPR55は神経保護作用を持ちますが、まさにそのシグナル伝達を阻害するカンナビノイドCBDもまた神経保護作用を持つのです。

体内におけるGPR55の役割について学ぶことはまだ多くあることは明らかです。そしてその知識があれば、癌やてんかん、神経障害に対するより洗練された大麻株の使用方法が分かるでしょう。今後の課題はGPR55阻害薬としてのCBDの有効性を証明すること、このややこしい受容体の秘密をさらに明らかにしていくことです。

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出典:ENDOCA