行方やいかに?CBDオイルの合法性が連邦裁判所で審理中

ヘンプ産業対DEA(麻薬取締局)の訴訟による結果は、CBDに関して新たな進路を、そして成長著しい新たな農業部門を示す可能性があります。カンナビジオールは薬効がもてはやされている非精神作用の大麻化合物です。しかし、大麻、およびCBDが豊富で中毒性のあるTHC濃度が低いヘンプから作られる抽出物の未来は未だ確定されていません。

カンナビストの本レポートは、連邦と州の不一致によりちぐはぐになった規制および法的状況を調査し、国家薬物対策、最先端研究の取り組み、CBDの完全な合法化を求めるさまざまな手段について考察します。本記事はシリーズ第3回です。

シリーズ第1回

禁じられた薬CBD:医師による勧めと連邦法の間で

CBDを違法とする麻薬取締局

連邦政府が大麻抽出物に関して定めた新たな麻薬取引取締法によってどのようにカンナビジオール(CBD)を分類したか、については、以下の2つの大きく異なる見解があります。

・これはアメリカを国際的薬物規制条約と一致させ、医学研究をより良く監視するための、単なる行政上の戦略である。

・これは新たなアメリカ・ヘンプ産業に対する連邦政府による攻撃の幕開けである。

昨年12月にUS麻薬取締局によって連邦公報に投稿された提案された最終規則通知は、「大麻抽出物」に関する規制物質法ナンバーを確定しました。1月に最終決定された規則通知は、大麻から派生した抽出物を規制物質法(CSA)のもとでスケジュールIの分類に据え置きました。

DEAにとっては当たり障りのないものが、ヘンプ産業にとっては存在の危機となりました。

一夜にして、ヘンプシードバターから自動車に使用するバイオプラスチック、潜在的な治癒的有効性が高くもてはやされていた非精神作用の大麻化合物であるCBDオイルまで、幅広い製品を生産する業界に暗影が投じられました。当初、分類行為が行われた、またCBDは現在違法となり、政府の照準に定められている、と謝って報道されたために、ヒステリーや混乱が膨らみました。

規則が発表されてからすぐ、DEA職員はザ・カンナビストに対して、分類行為は行われていないと繰り返しました。
「そんなことは必要ありません。大麻とヘンプから作られるCBDオイルおよびその他抽出物は、これまでもこれからスケジュールI規制物質です」

DEAはその姿勢を変えていません。

ヘンプ産業の弁護士は、規則はDEA登録および薬物法割り当てにとって合法的な業務であったと思われる行為に即座に従うものであり、実際上ヘンプ関連製品を規制しているものと扱っている、と主張しました。またこの規則は、規制物質法に明白に記載されていないカンナビノイドや大麻抽出物を分類しようとすることで、DEAは権限外の行動を取っていることを意味する、と弁護士は断言しています。

1月にデンバーのホーバン弁護団がヘンプ産業協会、センチュリア・ナチュラル・フード社、RMHホールディングス株式会社を代表して起こした連邦裁判所への告訴は、アメリカの農業再興を守ることを目的としている、とボブ・ホーバン弁護士がザ・カンナビストに語りました。

「業界全体がこれにかかっています」とホーバン。

ヘンプ業界に新たな進路を示す可能性がある決断をするのは、第9回巡回控訴裁判所に今委ねられています。

不確かな合法性と好況ビジネス

全米州議員協議会によると、コロラド州を含め、少なくとも16州が、研究および商用目的でヘンプの栽培を認可する法律を持っています。ヘンプ・ビジネス・ジャーナル誌による分析によれば、2016年ヘンプ産業は、アメリカでの売上が推定6億8800万ドルという新記録を達成しました。デンバーに拠点を置く業界誌は、その総額のうちヘンプから生じるCBDは推定1億3000万ドルを占めている、と報道しています。

しかし、大麻製品および抽出物の調達、製造過程および流通に関する合法性については、引き続き疑問が渦巻いています。問題の中心となるのは、製品に精製される大麻草の部位です。規制物質法(CSA)では、大麻は以下のとおり定義されています。

「“大麻”という単語はその生死を問わずカンナビス・サティバLの全部位を意味します。すなわちその種子、全ての部位から抽出された樹脂、ならびにその植物、種子または樹脂の全化合物、製品、塩、派生物、混合物または調合液を意味します。しかし大麻の成熟した茎、その茎から生成された繊維、または種子から作られたオイルまたは固形物、成熟した茎(そこから抽出された樹脂を除く)の化合物、製品、塩、派生物、混合物または調合液、ならびに発芽が不可能な大麻の不胎化された種子、繊維、オイル、固形物はそれに含まれません」

CSAの定義から除外された成熟した茎および成長できない種子は、精神活性作用のあるTHCといったカンナビノイドをほんの微量しか含まないと考えられています。ヘンプシード・ハーツや料理用オイルなどの食品は、このカテゴリーに入る種子から作られています。

DEA職員はザ・カンナビストに対して昨年12月に、この新法ナンバーはすでにCSAから除外されている、人間による飲食を目的されていない多数のヘンプ製品には影響しないことを認めました。それには、ローション、シャンプー、溶剤、ロープ、衣服、粒餌が含まれます。

元々THCを少なく含むヘンプ草がCBDオイル生成に使用される時に疑問が生じます。ホーバンは次のように言いました。

「率直に言って、この不確かさがこの産業を作り出したのです。経済とビジネスはこの不確かさのなかで繁栄しています」

しかし不確かさのなかで生き残るのは、別の問題です。

ヘンプ産業は、州による合法化や現在の判例法がヘンプから作られる製品の製造者、小売業者、消費者を保護してくれると思い込んで傍観姿勢を取っていてはいけない、とホーバンは言います。

ホーバンは、テキサス州やケンタッキー州の企業が州警察によってCBD製品を押収されたことを指摘しました。アメリカ合衆国税関・国境警備局による動きが、DEAによる大麻抽出物コーディングの後援の元でCBDオイルおよびその他ヘンプ派生製品の押収を引き起こしかねない、とホーバンは懸念しています。

CBDオイルの合法性は、ニューヨークのオーチャード・パークのような場所でも疑問視されました。そこで、州が運営する特別介護施設の職員は、医師が勧めたCBDオイルの患者に対する投与を連邦法によって禁じられた、と話しました。

「この件についてハッキリしていることはありません」法廷での闘いが重要であるとホーバンは付け加えました。

サンフランシスコの連邦上告裁判所は、DEAとヘンプ産業協会にとって馴染みのある戦場です。10年以上前、第9回巡回上訴裁判所は今年の事例に大きく影響する、ヘンプ食品およびカンナビノイドに関する前例を作りました。

2003年に裁判所は、ヘンプシードやオイルに含まれる微量の、天然由来のTHCを全て禁止するDEAによる「解釈規則」に不利な判決を下しました。2004年、同じ上訴裁判所が天然および合成THCに関するDEAの権限に限界を設けました。裁判所の記録は以下の通りです。

「DEAによる最終規則は『天然および合成THC』を含む食品類を規制すると主張しています。したがって、規制物質法(CSA)のスケジュールIに規制される薬物の定義に沿って、最終規則は大麻に含まれる天然のTHCを含む食品類を規制することができ、またいかなる形でも合成THCを規制することができます。しかしDEAは、大麻内または大麻から生じたのではない天然由来のTHCを規制することはできません。すなわち精神作用しないヘンプはスケジュールIに含まれません。DEAはスケジュールに分類されない薬物を規制する権利を持たず、また薬物を分類するのに必要な手順に従っていません。DEAによるTHCの定義は規制物質法(CSA)におけるアメリカ連邦議会の明確に表現された意図に反するもので、支持することはできません」

10年後、アメリカ連邦議会は、州がヘンプ生産に関する法律を設置するのを認める、農業法としても知られる2014年農業法を可決しました。農業法は、産業ヘンプを次のように定義しています。

「成長している、いないにかかわらず、乾燥重量に対するテトラヒドロカンナビノール(THC)含有量が0.3%以下のカンナビス・サティバL、ならびにその植物の全部位」

この法案のもと、州農務省または大学は研究目的で産業ヘンプ生産できるようになり、また国家の認定を受けた試験計画のもとでこの万能な作物を栽培できるようになりました。

余計なこと

過去の巡回裁判所の判決やヘンプに優しい連邦法は、CBDを豊富に含む抽出物の製造者、小売業者、消費者に対して法的な前例を作りましたが、必ずしも全てに対して安全および安定性を提供したわけではありません。治療的および医学的用途におけるCBDオイルの支持者の一部は、明確なアプローチを選ぶと話しています。法廷に頼るのみでは、あまりに多くの人々や事業にとってリスクが高すぎます。

コロラド・スプリングスに住む母親ペイジ・フィジーは、 てんかんの一種であるドラベ症候群を患う娘シャーロットの発作を劇的に減らしたとしてCBDオイルを評価しています。フィジーはCBD法についてロビー活動を行うためにNPO団体コアリション・フォー・アクセス・ナウを設立しました。CBDオイルの合法性は最終的に、アメリカ連邦議会で決定される必要が有る、とフィジーは言います。

フィジーとコアリション・フォー・アクセス・ナウは、規制物質法における大麻の定義からCBD、そしてカンナビジオールを豊富に含み、中毒性のあるTHCを少なく含む植物を除外するための議会活動を支援しています。連邦政府による完全な合法化の必要性のほか、継続する法廷闘争は最終的に業界全体に裏目に出るのではないかと懸念している、とフィジーは話しています。

DEAの実行優先順位は他にある、とフィジーは言います。DEAは、州法や消費者の安全基準を忠実に守る製造者に対しては傍観主義的なアプローチを取ってきた、と指摘します。

「余計なことをすると、DEAは戻ってきて『これは規制されている』と言うでしょう。それこそ実行活動を増加させます」

DEA広報担当官のラス・ベーアは、審理中の訴訟ならびにCBDオイルにまつわる広範な討議に関するザ・カンナビストのインタビュー依頼に応答しませんでした。

昨年12月、ベーアはザ・カンナビストに対し、抽出物に関する新法は、ヘロイン、フェンタニル、覚せい剤、コカインなど広く乱用されている部分に集中しているDEAの実行優先順位を変えるものではない、と電子メールで述べました。

第9回巡回上訴裁判所の判決は、アメリカ西部の州および地域群においてのみ法的拘束力を持つだろう、とホーバンは言いました。第9回巡回上訴裁判所は、アラスカ州、アリゾナ州、カリフォルニア州、グアム、ハワイ州、アイダホ州、モンタナ州、ネバダ州、北マリアナ諸島、オレゴン州、ワシントン州で構成されていました。それでも第9回巡回上訴裁判所における法的勝利は、当座の間DEAの規則通知を明確にし、また将来的な前例を定めるものとなる、とホーバンは言います。

「これは非常に長い勝負の第一イニングなのです」

The Cannabist