アジア初!タイで医療目的のヘンプ栽培が合法化

アジア初の医療目的のヘンプ栽培が合法

タイは、15県で産業用および医療目的でのヘンプ栽培を認める法案を承認しました。これは薬物に厳しい政策を取る国が多いアジア諸国で初めての動きです。

バンコク・ポスト紙は、タイ内閣が医療目的でのヘンプ栽培を合法化した、とレポートしています。麻薬管理局(ONCB)が2017年に発表した法案によると、ヘンプ栽培は6つの地方にあるチェンマイ、チエンラーイ、ターク、ペッチャブーン、メーホンソーンを含む15県で認められます。麻薬管理局事務総長のシリニャ・シッティチャイは、法案は2018年に施行されると述べました。

新法のもとで栽培者は、精神活性化をもたらす精神作用成分テトラヒドロカンナビノール(THC)の含有量が1%未満のヘンプの栽培に限定されます。1%以上のTHC濃度を持つヘンプを栽培していることが分かった場合は法的措置を受ける可能性があります。国中で栽培されたヘンプは医療目的のほか、認可を受けたタバコ工場に販売されます。

タイにおける薬物政策の変化

この政府による戦略は、薬効があることが知られている物質に関する薬物法を緩和する取り組みの一環です。タイ内閣は、大麻、メタンフェタミン(覚せい剤)、クラトムに対する法律を緩和することも考慮する予定です。クラトムは鎮痛に役立つ熱帯の樹木です。メタンフェタミンは科学研究を認めるために、第1種麻薬から第2種に変更されました。一方、大麻とクラトムはすでに研究されています。

ヘンプと大麻は同じカンナビス・サティヴァ・L種に属しますが、ヘンプはもともとTHC濃度が低く、通常、食品、オイル、繊維のために栽培されています。大麻と比較するとヘンプは、強力な抗酸化および神経保護特性を持つとしてアメリカ国立衛生研究所が特許を取得しているカンナビジオール(CBD)を多く含みます。大麻の医療可能性を調べる研究が数多く実施されており、現在も複数が進行中です。

タイのパイブーン・コーンチャヤ前司法大臣は過去に、大麻とクラトムをタイの禁止麻薬リストから除外したいと発言していました。2016年11月に市民グループや警察とミーティングを行った前司法大臣は、薬物規制は失敗していると述べ、これらの植物が薬草として扱われることを求めました。

これが実行されるまで、タイでは医療目的または個人的目的の大麻使用は引き続き違法であり、最大1年の懲役ならびに最大570ドル(20,000バーツ)の罰金が課せられます。最大10kgの所持では、最大5年の実刑判決ならびに最大2800ドル(100,000バーツ)の罰金を課せられます。タイにあるコミュニティがてんかん、がん、筋衰弱に苦しむ子供の症状を緩和するために、違法に医療CBDオイルを使用している、とデイリーニュースは伝えています。8月、この取り組みが医療大麻の非犯罪化を調査するために政府および民間組織によって行われていたことをココナッツ・バンコクが報告しました。

国民の大多数が大麻合法化を支持するタイ

タイ・ビサが8月に実施したオンライン調査では、参加した379人の80.5%が娯楽用・医療用の両方で大麻合法化を支持している一方で、医療目的でのみの合法化を支持するのは12.81%でした。いかなる合法化も反対と答えたのはたった6.69%でした。

タイのヘンプに関する展開は、大麻法の緩和に向けた世界的な動きの中で最新のものです。アメリカでは2016年11月に9州で大麻法が可決されました。カナダは2017年に娯楽大麻を合法化しました。マリファナ・ビジネス・デイリーによると、程度の差はあれ約20ヶ国で大麻の所持・使用が最近、合法化されています。日本を含め、アジアではまだ大麻に厳しい政策を取っていますが、タイの法改正を皮切りに規制緩和が広まっていくかもしれません。