アメリカにおけるヘンプ生産をコロラド州がリード

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CBDオイル製品を製造するのにヨーロッパからのヘンプ輸入に頼っていたアメリカですが、2016年の法改正以来、国内でのヘンプ栽培も増加しているようです。

注目を集めるのは大麻薬局かもしれませんが、ヘンプ農家は農作地を広げています。産業ヘンプ業界の向上に尽力している機関ヴォート・ヘンプによる新たな研究で、農作面積が2万3343エーカーに達していることが明らかになりました。これまでのところそれをリードしているのはコロラド州です。

ヘンプ農作地が拡大中

ヴォート・ヘンプはヘンプの国内栽培地面積を調べた調査結果を発表しました。報告書によると、33州が何らかの形のヘンプに特化した法律を施行しています。そのうち19州で、産業または研究目的でヘンプを栽培する許可証を作成しています。ヘンプを栽培する州の中ではコロラド州が全国の約1/3に当たる7500エーカーの農作地を所有しています。コロラド州に続く上位5州は、オレゴン州(3469エーカー)、ノースダコタ州(3020エーカー)、ケンタッキー州(3000エーカー)、ニューヨーク州(2000エーカー)です。

ヴォート・ヘンプのエリック・スティーンストラ会長は次のように話しています。

「2017年はアメリカにおけるヘンプ栽培が大幅に拡大し、昨年と比べてヘンプが植えられたエーカー数は倍以上になりました。またヘンプ試験計画を持つ州はさらに4州増えました。大半の州がヘンプ農業法を施行しており、明白にヘンプを支持しているほか、我々の農業経済を多様化し、より持続可能なものにすることに賛成しています」

ヘンプの合法性は連邦政府による大麻禁止のおかげで、いくらか不明瞭です。しかし2016年に肥料アクセスおよび責任ある管理(FARM)法が可決して以来、産業ヘンプ事業がにわかに系気づいています。この法律には、農業試験計画および学術研究のもと研究目的のヘンプ栽培を合法化した「産業ヘンプ研究の正当性」と呼ばれる条項が含まれます。すなわちこれによってヘンプ栽培計画を合法化した州は、政府に介入されることなく活動できます。

研究によると、法案可決以来、合法ヘンプ農業はそれが可能な州に爆発的に増加しました。2016年のヴォート・ヘンプの報告では、合法ヘンプ栽培地面積は9770エーカーで、2017年の2万3343エーカーの42%にも及びません。2016年のコロラド州のヘンプ栽培面積は1500エーカー以下でした。

コロラド州は2012年に合法化が承認されたため、小売大麻産業と同じようにヘンプ農地が他の州より早く拡大した、と産業ヘンプ農家のゲイブ・ライミーは言います。小売大麻をめぐる厳しい規制に取り組みたくなかったライミーは、ヘンプ取引に足を踏み入れるため2016年にホームステッド・オーガニックス社を設立し、ダグラス・カウンティにグリーンハウスを設置してCBDが豊富なヘンプ株を栽培しています。

「ライセンスの観点から見れば、ヘンプ法に関しては娯楽用または医療用大麻と比べてこっちの方がずっと簡単です。コロラド州は他の州より合法化が先でしたから、ほぼすぐにヘンプに着手することができたのです。医療大麻薬局が出始めた2008年頃は監視されていませんでした」

コロラド州農務省(CDA)によると、2017年10月30日の時点でコロラド州には500件近いヘンプ農家がいます。ライミーは比較的安価な500ドルの出願料および農家がヘンプ栽培のために支払う1エーカーあたり5ドルの使用量を指摘し、コロラド州にヘンプ農家が多い主な理由をCDAが産業ヘンプを受け入れてくれたことのおかげだと考えています。「一度申請して免許ナンバーを受け取ったら、あとは競争に参加するだけです」とライミーは説明します。

とはいえ改善の余地がないわけではありません。ヘンプ農作地が2016年の500エーカーから2017年の3469エーカーに増加したオレゴン州の方が、全国トップの生産州になる可能性が高い、とライミーは考えています。「オレゴン州は大きく前進しています。オレゴン州の方がより魅力的なシステムを持っているのです」CDAはオレゴン州と違って、ヘンプ草のTHC濃度のみを検査し、CBDオイルやアイソレートといった完成品を検査しませんが、オレゴン州では完成品を検査します。カンナビノイド抽出ではCBD濃縮エキスからさらにTHCを除去することができるので、ヘンプ産業支援者はヘンプが合法の州に対して、ヘンプ草自体ではなく完成品のTHC濃度を0.3%未満に適用するように求めています。

「どんな法律でも、意図せぬ結果のリスクを背負っています。コロラド州でヘンプ栽培を始めたとき、誰もが従来のような種子用、食品用、繊維・保護用といったやり方を考えていましたが、ヘンプに関してそれは当てはまらないのです」

ヘンプ農家は、ヘンプシードや繊維からCBDオイルへと大きく焦点を移しました。一部の業界専門家はコロラド州の約95%がCBD抽出の目的のみでヘンプを栽培していると推定していますが、それには理由があります。ヘンプ・ビジネス・ジャーナル誌2017年度中間報告によると、CBDオイル製品の売上は2014年から2017年までに3倍以上増え、1億810万ドルから3億5840万ドルに増加しました。報告書では2022年までにCBD産業の売上は、1兆8120億ドルに到達すると推定しています。

「現在CBD濃度が15〜20%の大麻株を持てるようになったという事実は、4、5年前には考えられませんでした。現在の遺伝的性質では、商用大麻株の花と高濃度CBDヘンプ株の見分けがつかなかったでしょう」

アメリカではCBD産業がものすごい急成長を遂げているようですね。これだけ市場規模が大きい産業だということが世界に伝わったら、経済的な意味で全面的なヘンプ・大麻の解禁が進むかもしれません。引き続き注目していきたいと思います。

連邦政府とケンタッキー州がヘンプ論争を解決

ケンタッキー州のヘンプ農家に朗報です!ケンタッキー州農務省(KDA)は、合法的にヘンプシードを輸入する権利を求めて、連邦政府に対して起こした訴訟を却下する申し立てを申請しました。連邦政府とケンタッキー州は、州へのヘンプシード輸入に関する正式な合法プロセスに正式に同意しました。

以下はサウスイースト・ファーム・プレスからです。

農務省は、ケンタッキー州の研究プロジェクトのために指定されたヘンプシードが麻薬取締局(DEA)の指示のもとルイスヴィルの税関で止められたことを受け、アメリカ税関・国境警備局、DEA、司法省およびエリック・ホルダー司法長官に対して、アメリカ地方裁判所で提訴しました。種子は5月後半に解放され、KDAの指導のもとで パイロット・プロジェクトを実施する大学および個人農家に分配されました。

産業ヘンプ農業を許可する法律を持つ州は、農業法案としてよく知られている2014年農業法が今年のはじめに可決されて以降、各州のヘンプ農業法を施行する機会を得ました。ケンタッキー州は数世紀にわたり世界的にヘンプ産地として有名で、平均年間収穫高は40,000トンにものぼりました。1937年に大麻税法が可決されたとき、アメリカにおけるヘンプ農業は正式に禁止されました。ヘンプの違法化は、ケンタッキー州経済に対して大きな打撃となりました。

「この1年は、疑うことのない農家のヘンプを栽培する能力だけでなく、ヘンプ生産を規制するのに必要なプロセスに対しても試験的でした」とコマーは言います。「1年がほぼ終わりに近づき、KDAが種子を輸入し、ヘンプ栽培を監督し、商品を販売するという下地のもと正式なプロセスを得た今、来年はより多くの農家やプロジェクトが参加することを願っています。そしてケンタッキー州は確実に、アメリカでヘンプ生産が完全に合法となる最初の州となれるでしょう」