世界が注目するカンナビジオールの効果

大麻草のカンナビノイド成分の主成分は、テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)に大きく分けられます。大麻草には100種類にも及ぶカンナビノイド成分が含まれており、そのほかにもCBC(カンナビクロメン)、CBCA(カンナビクロメン酸)、CBDA(カンナビジオール酸)、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)、CBDV(カンナビジバリン)、CBE(カンナビエルソイン)、CBG(カンナビゲロール)、CBGA(カンナビゲロール酸)、CBL(カンナビシクロール)、CBN(カンナビノール)、CBND(カンナビノジオール)、CBT(カンナビトリオール)などの様々なカンナビノイドが成分が多数存在するのです。

とりわけ大麻=マリファナと連想する方が多いでしょうが、一般的に酩酊状態にする作用がある成分はテトラヒドロカンナビノール(THC)だと言われています。

一方のカンナビジオール(CBD)は大いなる治療効果をもたらし、毒性も持たない大麻草化合物なので、CBDに対する関心が非常に高まっています。カンナビジオールには酩酊状態にする作用は全くなく、腫瘍を縮め、てんかん発作を抑え、慢性的疼痛を楽にすることで注目を集めています。そんな奇跡なカンナビジオール成分の有効性が非常に人気を集めています。

アメリカ国内ほぼすべての州でカンナビジオールは合法です。また、世界でも大麻草のカンナビノイド成分であるカンナビジオールを規制対象とした厳重な法律は知られておらず、日本でもCBDオイルや高濃度タイプのCBDオイルは大麻取締法の規制対象とされていません。

なぜ規制の対象にならないかというと、カンナビジオール(CBD)成分には向精神作用が全くないからです。世界の大麻取締法のほとんどは、テトラヒドロカンナビノール(THC)を規制している法律です。

現患者人口を十分に救うことができる「CBDオンリー」法

アメリカの15州の議会で、CBDのみの製品を認可する「CBDオンリー」法(正確にいうと「低THC」法)が承認され、他の州もまたそれに倣う構えのようです。

高含有CBDオイル製品の原料を制限する州、CBDを投与できる疾患について明示する州、またそうした措置をとらない州も存在します。表面上この法律では、THC濃度が0.3%以下と測定されたヘンプや産業用大麻から作られたCBD入りオイルの使用を許可しています。

しかし、THCをほぼ含まない高含有CBD治療薬が、全ての患者に効くというわけではありません。てんかん患者の子供を持つ親の中には、ある程度のTHC(またはTHCの非加熱状態であるTHCA)を加えた方が、発作抑制に有効だと認識している人もいます。てんかんの症状によっては、THC優勢品種のほうが高含有CBDオイル製品よりも効能を発揮する場合があります。

患者たちの実に過半数が、CBDオンリー法を支持してはいません。彼らにとっては、低THC法だけではなく、より広い薬効範囲を持つ大麻草療法が必要なのです。大麻草療法は万人に効くわけではなく、化合物、製品、品種もまた万人に有効なわけではないのです。日本の場合は大麻取締法の規制が厳しいため、現段階で使用できるのはCBDオイル製品のみというのが現状です。

相互作用するカンナビノイド成分

テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)は大麻草化合物のパワーバランスが重要であるとされています。二つが相互作用することで最高の働きをするのです。

CBDとTHCは、互いの治療効果を増大させるようシナジー的に相互作用を起こすことが科学実験で証明されています。英国では大腸炎の動物を用いた実験で、CBDがTHCの抗炎症作用を増強することがわかりました。

サンフランシスコのカリフォルニア・パシフィック・医療センターでは、脳腫瘍と乳がんに関する試験で、CBDとTHCはそれぞれ個別に使うよりも、二つ合わせて用いることでより抗腫瘍作用が発揮されることが測定されています。

また、広域におよぶ臨床研究でも、THCと化合したCBDは、単分子で用いるより、神経因性疼痛により効果的であることが立証されました。

テトラヒドロカンナビノール(THC)が持つ治療可能性

世界ではテトラヒドロカンナビノール(THC)成分にも注目が集まっています。向精神作用があることから薬物であり、快楽的な悪い作用をする成分だと決めつけることができない理由もあるのです。

「諸悪の根源」と言われるTHCにも、実際には優れた治療的効能が存在します。サンディエゴのスクリップス研究センターは、THCがアルツハイマー型認知症の特徴であるβアミロイド斑の形成に関わる酵素を抑制すると発表しました。

医学的な観点から研究されたデータなので信憑性は高いと思いますが、今後テトラヒドロカンナビノール(THC)成分単体の研究・開発なども重要視されていくことでしょう。

大麻草は何百もの成分を含有しており、そこには様々なフラボノイド、芳香性テルペン、そしてTHCとCBDの他にも多くの微小カンナビノイドが含まれています。

こうした化合物のそれぞれに特定の治療効果がありますが、それらが一緒になると、科学者たちがいうところの「アントラージュ効果」を生み出し、大麻草全体の治療効果はその単分子の総計を上回るものとなることがわかっています。

PROJECT CBDで公開されているCBDについて

カンナビジオール(CBD)は、優れた医療的効能を持つ大麻草の化合物です。人を酩酊状態にすることもなく、実際にはTHCが持つ向精神作用を妨げる働きがあります。

高濃度CBD製品には向精神性が皆無、もしくはTHC主体の品種よりも向精神性が低いので、炎症、痛み、不安、精神病、発作、けいれん、更に無気力や神経不安による焦燥感などの症状を軽減したい患者にはよい選択だと言えるでしょう。

アメリカ合衆国政府がその大部分を担っている医科学の研究において、関節炎、糖尿病、アルコール中毒症、多発性硬化症、慢性的疼痛、精神分裂症、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ病、抗生物質耐性感染症、てんかん、その他の神経性障害など、幅広い症状の治療にCBDの可能性が強調されています。

CBDには神経保護作用や神経因性作用が備わっており、更にその抗がん作用はアメリカ国内外にある大学の研究センター各所で現在調査が行われています。

多くの方々が、最大限の効能を求め、高濃度CBD製品がどこで手に入るのか、どのように使うのかを知りたいと思っています。かつて北米やその他の地域で、高濃度THC大麻だけが入手可能だった時代から数十年経ち、今、高濃度CBD品種とその製品が医療目的で使用することができるようになりました。

また、「高濃度CBD(CBD-rich)」と「CBD優勢(CBD dominant)」の違いは、「高濃度CBD (CBD-rich)」は、CBDとTHCが同量、もしくはTHCよりもCBDが多い(通常、乾燥重量でCBD4%)の品種や製品を指します。「CBD優勢 (CBD dominant)」のほうは、THCをほぼ含まず、CBDが高濃度の品種とCBDオイル製品を指します。