うつ治療に役立つ!CBDはセロトニン受容体に直接作用

5-HT1Aセロトニン受容体って知っていますか?実はCBDの抗不安効果などに大きく関係している脳内の物質なのです。本記事では5-HT1Aセロトニン受容体について掘り下げてみました。

うつ病に対する現代治療薬の大半はセロトニン系を標的にしていますが、効果を発揮するまで数週間かかります。5-HT1Aを標的にする方が効率的なのではないか、と一部の人は考えているようです。

現在利用されている抗うつ剤はセロトニン系を標的にすることで、セロトニンの再循環を阻止し、ニューロン間にセロトニンを維持して効果を発揮します。これによって、セロトニンがより長時間活動できるようになります。

現在の抗うつ剤の問題点

これらの薬剤に関する問題は、明らかな影響を与えるまで長い時間がかかることです。

多くの場合は数週間かかり、その間期待される効果を感じられないなか、副作用に悩まされ、患者のフラストレーションは高まります。うつ病と闘う患者は不安定な精神状態であることが多く、薬剤が効果を発揮するまでさらに時間がかかることは潜在的なリスクがあります。

薬が効くとは限らない

うつ患者は、適切な治療薬を見つけるまで試行錯誤の期間を経なければならない可能性があります。必要とされる医薬品または投与量の特定が遅れると、患者の治療に弊害をもたらすでしょう。

そこで科学者はより効果的な治療薬を開発するために、新たな抗うつメカニズムを探求しています。

しかし、より迅速で効果的な抗うつ治療への入り口が脳内にあるのでしょうか?

5-HT1A受容体とは?

特定のセロトニン受容体を標的にすることで、より迅速に抗うつ剤が作用すると考えられます。そしてその特定の受容体が5-HT1Aです。

細胞の表面にある5-HT1A受容体は化学物質と結合するタンパク質で、ニューロン発火を引き起こすために経路を開く、または信号を開始することによって反応を引き起こします。どのような作用を引き起こすかは、どのタイプの受容体か、脳内のどこに位置するか、どのタイプの細胞かによって異なります。

5-HT1A受容体は、脳全体に存在します。セロトニン・ニューロンの自動受容体として観察されることもあります。5-HT1A受容体が大脳皮質内の別のニューロンにあるときは、異なる効果を生み出します。5-HT1A受容体の自己受容体としての役割こそが、抗うつ剤にとって形成を一変させるものになるかもしれません。

大半の抗うつ剤は脳内のセロトニン量を増加させることを目的としています。つまり、これらの抗うつ剤はより頻繁に受容体に達します。背側縫線(脳の大部分にかなりの割合でセロトニンを供給する脳内最大のセロトニン作動核)は、反応を収集する手段として5-HT1Aを使用します。セロトニンが5-HT1A受容体に達すると、5-HT1A受容体は十分なセロトニンがあるという信号を出し、背側縫線は放出を制御します。

通常の状態では、この反応に全く問題はありません。しかしうつ状態の場合、この反応は抗うつ剤と相反するので効果を制限することがあります。抗うつ剤によってより多くのセロトニンがあるかもしれませんが、一方で5-HT1A受容体によってセロトニン放出が制限されてしまいます。

5-HT1A受容体が時間をかけて鈍くなると、背側縫線は通常のセロトニン量を放出し始めます。これと抗うつ剤の効果により、十分なセロトニンが残り、患者の気分を向上します。

論理的には、5-HT1A受容体が即座に鈍化された場合、抗うつ剤はより早く作用でき、通常の反応を阻止することによってセロトニン量を増加できる可能性があります。

CBDが5-HT1A受容体に与える影響

ブラジルのサンパウロ大学およびロンドンのキング大学によって実施された研究では、高濃度のCBDは5-HT1A受容体を直接活性化することが明らかになりました。

5-HT1A受容体は実際、生物学的にも神経学的にも数々のプロセスに関わっています。これは不安障害、食欲、依存症、疼痛感覚、吐き気、睡眠、嘔吐などに含まれますが、これに限定されません。5-HT1A受容体が発動すると、5-HT1A受容体を作動させた化学物質に基づいて、興奮性または抑制性反応を生み出します。

CBDを利用して5-HT1A受容体を活性化させると抑制性反応が引き起こされるので、セロトニン生成の減速または停止を指令する5-HT1A受容体のシグナルを阻止します。

関係するCBD用途

CBDによる5-HT1A受容体の活性化に観測される通り、CBDの利用に関連する潜在的利点は数多くあると考えられています。CBDには大規模な副作用も報告されていないので、魅力的な戦略としてさらに強調されます。

CBDは恍惚的な感覚を引き起こしません。しかし、CBDがセロトニン生成を強化する可能性を示す証拠はあります。重度のうつ病ではCBDのみの使用でうつ状態を解消できない可能性がありますが、CBDがCB1およびCB2受容体とともに5-HT1A受容体も標的にするという事実は、CBDは一部の人に対してセロトニン改善を促進する可能性があることを示唆しています。また効果が出るまで数週間から数ヶ月かかる現在の抗うつ剤と違い、 CBDが誘発するセロトニン生成の影響はほぼ瞬時に感じられることが研究で示されています。つまり、毎日摂取する必要はほとんどありません。

CBDは実は第一選択薬と同時に使用できるという憶測が出ていました。CBDがこれらの薬剤を妨げる可能性は最小限度なので、「必要に応じて」同時に摂取することができます。

CBDの使用が全ての使用者において症状を軽減すると確定するのは不可能ですが、証拠の大半は肯定的です。

CBD治療の未来

5-HT1A受容体など特定の受容体に対するCBDの影響を完全に理解することは、医療大麻が合法的かつ効果的な解決策であるという評判を強化するのに役立つでしょう。とはいえ、カンナビノイドがこれらの症状抑制にどれほど効果的であるか確証する前に、多くの研究が実施されなければなりません。先はまだ長いですが、初期研究の結果は有望な未来を示しています。

参考:HealthyHempOil