CBD利用中なら必読!本当のテトラカンナビノール(THC)とは?成分や効果、日本での扱いなど

大麻にはカンナビノイドと呼ばれる化合物が数多く含まれています。

その中でも最も有名なのは「THC」次点で「CBD」ではないでしょうか?

大麻の精神活性効果をもたらすTHCは世界的に禁止薬物扱いとされていますが、最近ではその医療上の効果が注目を集め医療大麻として利用する国も増えてきています。

この記事では、メリットからデメリットまでTHCについて知るべきことを全てまとめました。

テトラカンナビノール(THC)の基本情報

大麻には85を越えるカンナビノイドと呼ばれる化合物が含まれています。

THCは中でもCBDと並んで最も多く含まれるカンナビノイドの一つです。

THCの正式名称はデルタ9-テトラヒドロカンナビノール、大麻による精神活性効果を引き起こすカンナビノイドとして広く知られています。

THCは大麻草の植物に含まれているときは、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)の状態で存在しますが、THCAは加熱されると脱炭酸というプロセスを通じて、THCへと変化します。

THCは1964年にイスラエルの科学者ラフェエル・メコーラム博士によって初めて分離・合成されました。

これが大麻研究の大きな足がかりとなり、その後のさまざまなカンナビノイドや人体に備わるエンドカンナビノイドシステムの発見につながったと言うことができます。

その後、精神活性効果を求める人々によって大麻はTHC濃度が高くなるように品種改良が盛んに行われました。

現在の大麻は平均して10〜30%のTHC濃度を持っています。

THCはその精神活性作用のため、日本やアメリカをはじめ世界のほとんどの国で禁止薬物扱いとなっていますが、一方で数々の薬効も持つために医療大麻や大麻系医薬品として活用されはじめているのです。

大麻自体は昨今、アメリカの州法や各国で医療大麻の解禁をはじめ、全面的な大麻の解禁も進んでいます。

テトラカンナビノール(THC)の作用メカニズム

THCの作用メカニズムを知るためにはまずは、エンドカンナビノイドシステムについて知らなければなりません。

エンドカンナビノイドシステムとは人間をはじめとする全ての哺乳類の体内にもともと備わっている機能で、睡眠、食欲、記憶、免疫反応、疼痛などさまざまな生理機能の調節を管理しています。

エンドカンナビノイドシステムは体内で生成される内因性カンナビノイド(エンドカンナビノイド)とそれに対するカンナビノイド受容体で構成される複合的なネットワークなのです。

カンナビノイド受容体には主に中枢神経系に分布するCB1受容体と免疫系や末梢神経系に分布するCB2受容体がありますが、THCはこれらの受容体と結合するため、精神活性作用から鎮痛作用まで身体に何かしらの作用を引き起こすことができるのです。

実際、THCは「至福」成分と呼ばれる内因性カンナビノイドのアナンダミドに構成や作用が非常によく似ていると言われています。

THCは脳内のドーパミンを放出する細胞を刺激し、恍惚感を生み出します。ま

た記憶形成に関わる脳部位、海馬における情報処理にも介入します。

テトラカンナビノール(THC)の摂取方法

大麻に含まれるTHCの摂取方法は喫煙、吸引、食品として摂取するなど複数あります。

喫煙

最も一般的で、最も早く効果が出る摂取方法は喫煙です。THCは吸引されると肺に運ばれ、直接血流に取り込まれます。

THCなどのカンナビノイドは血液脳関門を通過することができるので、血流に入ると迅速に脳に運ばれます。

吸引

ヴェポライザーという器具を使用して、大麻やオイルを加熱することで発生する蒸気を吸引します。

喫煙と同じように肺を通じて直接血流に吸収されるので、早く効果を感じることができます。

食品として摂取

大麻入り食品には焼き菓子やお茶、チンキ剤などがあり、THC濃度が高いものが多いです。

こういった食品を摂取すると、THCは消化器官を通じて代謝され、ゆっくり吸収されます。

食品として 摂取すると、喫煙や吸引より効果の持続時間が長く、また効果も強烈に感じます。

THCを吸引した場合、効果は45分から数時間続きますが、食品の場合は6〜8時間持続します。

テトラカンナビノール(THC)の医学的メリット

全米がん研究所によると大麻は3000年以上までから医療目的で使用されてきました。

中国や日本でも古くから薬として使用されてきた歴史があります。

2017年の時点でアメリカの半数以上の州が医療大麻を合法化しており、ヨーロッパやアジアでも医療大麻の合法化が広がっています。

THCは世界的に禁止薬物に指定されていることが多いですが、多くの国で合成THCを用いた薬ドロナビノール(マリノール)が認可され化学療法を受ける癌患者やHIV/AIDS患者の吐き気・嘔吐、体重減少を抑制する治療薬として使用されています。

またTHCは適切に使用すれば、疼痛、脳損傷、緑内障、線維筋痛症、認知症を含む数多くの疾患治療において多くの薬効をもたらすことが研究で明らかになってきています。

THCががん細胞を殺す・腫瘍を小さくするなどの可能性を示した前臨床検査や研究があり、現在さらなる研究が続けられています。

アルツハイマー病

1997年に発表された研究で、THCがアルツハイマー病に伴う食欲減退や行動障害を改善したことが分かっています。

脳損傷

2014年の研究で、脳損傷時に体内にTHCが存在していた場合の方が外傷性脳損傷を患った患者の生存率が高かったことが発見されました。

これはTHCの神経保護および抗炎症効果によるものと考えられています。

線維筋痛症

2006年の臨床試験で、THCが線維筋痛症の疼痛を緩和したことが分かりました。

THCを投与された患者はプラセボを投与された患者よりも1日の疼痛スコアが低かったことを報告しました。

THCが患者の疼痛感覚の低下に役立ったと科学者は考えています。

緑内障

1980年の臨床試験で、THCが緑内障患者の眼圧を低下させることができることを示唆した結果が発表されました。

喫煙されたTHCが摂取後60〜90分後に目の血圧を下げたことが分かりました。眼圧低下によって視神経の損傷を減らし、病気の進行を鈍化させることができるので、THCは緑内障治療に役立つ可能性があります。

炎症性腸症候群

2013年の臨床試験で、大麻に含まれるTHCが炎症性腸症候群の一種であるクローン病に役立つことが分かりました。

1日2回THC115mgを8週間にわたって摂取したところ、患者の45%が完全な回復を達成しました。

その他の患者では、大麻が一部の症状を改善しましたが全ての症状は改善しませんでした。

多発性硬化症

2004年にブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌に発表した臨床試験では、THC投与後の多発性硬化症患者の疼痛強度が大幅に低下したことが分かりました。

また別の研究では、THCが多発性硬化症のけいれんを改善したことが報告されています。

疼痛・炎症

2015年にTHCの鎮痛効果を調べるため、325名の患者が参加した6件の臨床試験を評価した臨床研究レビューが行われました。

その結果、慢性痛や神経障害痛に対するTHCの使用は高品質の証拠によって裏付けられています。

また2009年の研究によるとTHCは炎症を抑制することもできます。

THCはサイトカインやケモカインといった炎症性化学物質の生成を遅らせる可能性を研究結果が示唆しています。

睡眠時無呼吸症候群

2013年にTHCが睡眠時無呼吸に役立つか調べた臨床試験が行われました。

その結果、THCが睡眠時無呼吸症候群患者の呼吸品質を大幅に改善したことが分かりました。

またTHCが全体的な睡眠サイクルを妨げず、最小限の副作用しか起こさなかったことも分かりました。

睡眠障害

リラクゼーションをもたらすTHCの効果は不眠症に効果があると言われています。

THCは体にも心にもリラックス状態をもたらすので、入眠しやすくなる可能性があります。

大麻研究はまだ初期段階にあり、多くの作用が現在もなお研究中です。

カンナビジオール(CBD)にも同じような医学的メリットがある

THCとCBDは同じ大麻に含まれている成分で、上記のTHCの医学的メリットはCBD成分にもあると言われています。

しかし、効果の違いは当然あることと、もう一つ決定的に違う点があります。

皆さんご存じの通り違法性の問題です。

CBDは多くの国が禁止薬物に指定しておらず、抽出方法などの制限はるものの法律違反になるような違法性なものではありません。

テトラカンナビノール(THC)の副作用

THCは前述の通り精神活性作用があり、いわゆる恍惚感を引き起こします。

その効果は摂取した量や濃度、摂取方法によって異なりますが、体のリラックス・くつろいだ気分にさせたり、時間の感覚や考え方を変えたりすることがあります。

治療を受ける人にとって、このような望まれない精神活性作用は副作用と呼ばれることもあります。

THCがもたらしうる副作用や使用上のリスクについて調べました。

THCの短期的な副作用には行動および気分の変化や身体効果が含まれます。

最も一般的な副作用は不安感やパニック反応、幻覚や妄想を誘引することもあります。

また、THCは短期記憶・集中力・運動機能・反応時間・技術を必要とする活動に悪影響を及ぼすことがあります。

主な副作用

  • 不安またはパニック発作
  • 心拍数の上昇
  • 目の充血
  • 口の渇き
  • めまい
  • 鎮静
  • 認知障害(記憶と集中力)
  • 運動障害

重度の副作用

  • 興奮
  • 吐き気・嘔吐
  • 精神病(幻覚、妄想、パラノイア)

長期的な使用によるデメリットやリスク

慢性的または定期的な使用者においては、長期的使用による副作用が起こることがあります。よく見られるのは肺疾患、心疾患のリスク、認知障害、中毒などです。

肺疾患

大麻喫煙者は日常的な咳や痰に悩まされ、より頻繁に風邪や気管支炎を発症する可能性があります。

大麻の喫煙は肺の免疫防御を損ない、感染リスクを高めることがあります。

このような副作用はヴェポライザーを使用した蒸気吸引に切り替えることで回避することができます。

またTHCの喫煙が肺がん発症リスクを高めることを裏付けた一貫した証拠はありません。

心疾患のリスク

大麻を摂取すると、心拍数が劇的に上昇し、最大3時間続くことがあります。高血圧や不整脈を持つ人においては、脈の乱れや心臓発作のリスクが高くなる可能性があります。

認知障害

慢性的な大麻の使用は、継続的な注意力、記憶力、決断力、社会行動の欠陥と関連づけられています。

精神病

統合失調症を含む精神病に遺伝的にかかりやすい傾向を持つ人に限り、大麻の慢性的な使用は平均して3年、発症を早めることが研究で分かりました。

耐性

大麻を長期的に使用すると耐性が形成され、望む効果を得るために使用量が増加することがあります。

過剰摂取した場合

これまでに大麻の過剰摂取による死は報告されておらず、THCの感情摂取で死ぬことは不可能だと考えられています。

とはいえ、過剰摂取によって不快な症状が起こることはあります。THCを過剰摂取することで起こりうる症状は、めまい、幻覚、心拍数の上昇、息切れ、震え、見当識障害、妄想、不安、パニックなどがありますが、通常、THCが体内からなくなると症状も消えます。

その他のデメリットやリスク

大麻の使用は運動技能を損なうリスクがあり、THC摂取後3時間は車の運転や同様のタスクを避けるべきです。アメリカでは医療大麻使用者も、大麻に慣れ、運動技能をうまく実行できるようになるまで運転しないように指示されます。

若年者における大麻の使用はIQや記憶、認知機能を低下させる可能性がある、と医療専門家が指摘しています。

また2016年に発表されたモントリオール大学の調査では、認知力の低下がより若いうちに使用を開始した場合に顕著だったことが分かりました。

また一部の医薬品と薬物相互作用を持つ可能性があります。

まとめ

THCは最もよく知られている、また最もよく研究されている大麻化合物です。

THCは人体に備わるエンドカンナビノイドシステムと相互作用し、特徴的な精神活性作用やさまざまな薬効をもたらします。

THCはアルツハイマー病、多発性硬化症、疼痛、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする数多くの疾患に対して医学的利点を提供します。

一方で、不安、めまい、口の渇きといった副作用があり、長期的、慢性的に使用すると気管支炎や心疾患、認知障害などのリスクが高まります。

このようにTHCには明確に長所と短所がありますが、その医療上のメリットから医学的に注目されていることは否定できません。

THCの薬効についてはまだ研究中の段階ですが、THCの精神活性作用は同じく数多くの効能を持つカンナビノイドのCBDによって中和できるということもあり、医療における有効活用に大きな期待がかかっています。