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リベラルなイメージがあるフランスですが、実はまだ医療大麻を合法化していない国の一つです。2013年の法改正で、マリノールやサティベックスなどのカンナビノイドを含む一部の医薬品の処方は認可されましたが、医療大麻の使用はもちろん、栽培・購入も違法とされています。
娯楽用大麻に関しても1961年の麻薬に関する単一条約以来、世界の大半の国と同じようにフランスも大麻の栽培・販売・運搬を厳しく禁止しています。興味深いのは、その他多くの国と同じように、THCが含まれない(0.2%未満)限りヘンプは今でも合法である点です。実際、フランスは主要なヘンプ生産国として有名なのです。そんなフランスで初めてのCBD専用のヴェポライザーが発売されるようです。
12月、アントニン・コーエンは仲間のセバスチャン・ベゲリ、ヴァレントン・スキレロト共に、フランス初のCBD電子タバコ、カンナヴェイプを発売する計画を立てています。THCが含まれないので、完全に合法です。カンナヴェイプは、中毒性のあるTHCを吸引することなく、鎮痛作用のあるカンナビノイドCBD成分のみを吸引することを可能にしてくれるヴェポライザーです。CBDは、鎮痛剤および抗不安薬としての可能性や効果を持っていますし、重篤な疾患にも効果を表すことが多く発見されています。
フランス初のヴェポライザー企業カンナヴェイプ設立者にインタビュー
この記事では、パリ18区にあるラボで行ったアントニンとのインタビューを紹介します。
—まずCBDとは一体何なのか説明してください。
CBDは大麻草に含まれる80のカンナビノイドの一つです。最も有名なカンナビノイドはTHCです。THCは妄想症を引き起こすこともある向精神的・恍惚的効果を持ちますが、CBDには恍惚効果がなく、抗精神病性であるという違いがあります。娯楽目的の場合、人々はTHCが豊富に含まれる品種を求める傾向にあります。
—恍惚効果がないなら、なぜ大麻を利用するのですか?
CBDには多くの用途があります。CBDはヘンプに含まれ、副次的影響をほぼ持たない分子です。私たちが大麻と呼ぶ植物とヘンプはどちらも大麻属の植物ですが、この二者には大きな違いがあります。
フランスにおいてヘンプは繊維および種子のために合法的に栽培されており、現在ではCBDのためにも栽培されています。ヘンプに含まれるTHC濃度は0.2%未満なので、娯楽目的で使用することはできません。一方でCBD濃度は4〜5%です。だからこそヘンプは極めて興味深い栽培品種なのです。ヘンプは合法的に栽培することができます。
—どのようにしてヴェポライザーCBDオイルを思いついたのですか?
約6年前、私は医療大麻推進のための協会を設立しました。英語では大麻の治療的使用を実証する科学研究や臨床試験が多くある一方で、フランス語では医療大麻の使用に関する情報があまり無いことに気づきました。そこでビジネスパートナーのセバスチャンと私は、フランス人の医師、記者、患者、政治家に向けて大麻の治療的使用に関する情報を提供する協会を立ち上げたのです。
—法に触れる問題を起こしたことはありますか?
私たちは大麻の医療的側面に注目しており、娯楽使用は推進していません。法を犯すことがないので、問題はありません。3年間が経った今、私たちはストラスブール大学医学部で大麻に関する最大のコンベンションの一つを企画してきました。それによって医学におけるカンナビノイドの使用を研究している世界中の医師や専門家のネットワークを築いてきました。この経験が私たちに一種の正当性を与えてくれています。
—どのように会社を編成していますか?
セバスチャンは医療大麻専門の農学技術者です。彼は特にオランダなど、この分野で活動するヨーロッパ最大の企業で働いてきました。これらの企業によって販売されるカンナビノイドを含む一部の医薬品は、ヨーロッパを含む数多くの国で販売されています。セバスチャンは私の非常に親しい友人でもあります。
私たちははじめに協会を設立し、3年前に最初の会社アルファ・キャットを立ち上げました。アルファ・キャットでは、各製品に含まれるカンナビノイド量の特定を可能にする大麻またはカンナビノイド製品のための検査キットを販売していました。この検査キットは最大8種のカンナビノイドを検知できます。
—カンナヴェイプはCBDを選出するのを助けるヴェポライザーと機能しています。これは電子タバコのようなものですか?
私たちは、大麻とタバコを混ぜて従来通り燃焼させることによって危険な行動をしている、という判断からスタートしました。そこでリスクを軽減し、医療大麻使用者がより良い体験をできるようにする試みとして電子タバコに注目しました。
—フランスでのヴェポライザーCBDオイル製品リリースはいつ、どのように行いますか?
現在、製造の最終段階にあります。つまり、製品を検査し、法的観点から全てを確認しています。製品リリースは12月半ばの予定です。製品はフランスを含め、世界の複数の国で入手可能となる予定です。とはいえ、私たちは新たな中毒を作るために行動しているのではありません。私たちはフランスの病気の人々のためにこの製品を販売します。無害な分子を使用しているので、娯楽使用のために製品を販売しているという非難を受けることはありません。私たちはカンナヴェイプを販売する最適な手段に関して助言をくれる法律事務所によって法的な支援を受けていますが、実際には法的な枠組みが存在しない状況に対処しています。
—企業の未来はどのようなものでしょうか?
私たちの企業は、ヘンプ産業における革新的かつ科学的製品の開発を専門としています。ですから異なるカンナビノイドを含む新製品や新たなタイプのカートリッジを開発していきます。私たちの野望は、新たなバージョンを継続的にリリースできるようになることです。カンナヴェイプの発売によって経済的成功ができれば、複数のカートリッジやその他CBDオイル製品を販売できるようになるでしょう。

参考:VICE