ブルーベリーは「スーパーフード」と呼ばれることがありますが、それには理由があります。ブルーベリーは豊かな健康上の利益をもたらす抗酸化物質がたっぷりふくまれているからです。最新研究で、がんの治療に役立つというブルーベリーの新たな作用が発見されました。
人間の子宮頸がん細胞株を研究するなかで、放射線療法にブルーベリー抽出物を併用すると治療の有効性が大幅に向上できることを研究チームが発見しました。ミズーリ大学コロンビア校医学部で働く研究の筆頭著者ユージャン・ファン博士とその同僚らは、パソロジー・アンド・オンコロジー・リサーチ誌に研究結果を発表しました。
アメリカがん協会(ACS)によると、アメリカでは2017年に約12,820人が新たに子宮頸がんと診断され、4,200人以上の女性が命を落としています。放射線療法は今も子宮頸がんの主要な治療法です。放射線療法では、がん細胞を破壊するために高エネルギー放射線を使用します。
「末期子宮頸がんなど一部のがんにおいて、放射線療法は優れた治療選択です。しかし健康な細胞に対する巻き添え損傷も必ず起こります」とファン博士は言います。
この研究で、研究者らはがん細胞を放射線治療の影響をより受けやすくさせる放射線増感剤としてブルーベリー抽出物を利用できるか調査しました。
ブルーベリー抽出物はがん細胞を「だます」
先行研究では、レスベラトロールが前立腺がん細胞を放射線治療に敏感にさせるのに役立つことが発見されました。レスベラトロールはブドウや赤ワインに含まれる化合物です。ブルーベリーにはレスベラトロールやフラボノイドが含まれると研究者らは述べています。「フラボノイドは抗酸化・抗炎症・抗菌特性を持つ可能性がある化学物質です」
研究チームは、最新研究でブルーベリー抽出物を人間のがん細胞株で検査しました。ブルーベリー抽出物は単体および放射線治療と併用で検査されました。これらの効果は、放射線治療単体の効果と比較されました。放射線治療単体ではがん細胞が20%減った一方で、ブルーベリー抽出物単体ではがん細胞が25%減少しました。
ブルーベリー抽出物と放射線治療を組み合わせたとき、子宮頸がん細胞数は約70%減少しました。ブルーベリー抽出物はがん細胞を放射線に対する感受性を高めるだけでなく、がん増殖を促す異常な細胞成長も抑制する、と研究チームは説明しています。
「がん細胞は自らを再構築することで死を回避します。ブルーベリー抽出物は細胞増殖を抑制すると共に、がん細胞をだまして死なせるのです。ですからブルーベリー抽出物は、がん細胞の発生を抑制し、また細胞死を促進します」
さらなる研究は必要ですが、これらの研究結果はブルーベリーが子宮頸がんおよびその他のタイプのがんの治療戦略として有望である可能性を示唆していると研究者らは述べています。
「ブルーベリーはとても一般的な食べ物で、世界中どこでもあります。入手しやすく、高価ではありません。ブルーベリーは現行の治療法の有効性を促進する自然な治療オプションとして、熱烈に歓迎されると思います」—ファン博士