マルタ共和国:医療大麻規定によって価格が高騰する可能性

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世界各国の医療大麻・CBDオイル事情を調べて回っていますが、今回はマルタ共和国について書いてみました。地中海に位置するマルタ共和国は、EUおよびイギリス連邦に属する小さな島国ですが、近年医療大麻にまつわる議論が高まっています。マルタは今年、医療大麻の合法化を決定しましたが、それに伴う規定によってCBDオイルの価格が急騰する可能性を医師が警告しています。

医療大麻に関して提案されている規定によって治療費に手が届かなくなる可能性があり、すでに大麻オイル製品を使用している患者は不安を感じています。

薬物依存法に対して提案される改正案によって、一般の医師は製造管理および品質管理に関する基準(GMP)に基づいて製造された、または薬事法に基づいて許可された医療大麻調合薬および合成カンナビノイド製品を処方することができるようになります。しかし、すでに非精神活性カンナビジオール(CBD)オイルを使用している人々はこの改正案を警戒しています。

法改正によって価格高騰の恐れ

25年間線維筋痛症に苦しみ、ヘンプ・エキストラクトを使用し始めてから劇的に生活が好転したという女性シャネルは、なぜ政府が苦しむ患者に対して状況をさらに悪化させるのか理解できないと言います。数ヶ月前までシャネルは地元の健康食品店でCBDオイルを購入できましたが、今では約70ユーロを支払ってオンラインショップで購入しています。

提案されている改正案によると、今後はGMP認定を受けたCBDオイル製品のみが使用を認められます。シャネルは、価格が大幅に増加し、同じCBDオイル製品の値段が1500ユーロまで上昇するのではないかと懸念しています。

疼痛管理に特に関心を持っている家庭医アンドリュー・アギウスは、GMP条件に基づいて製造される医薬品は一部の患者には手が届かない可能性があると言います。そのような製品の価格は競争力がある必要があります。なぜならそうしなければ、患者は引き続き有害な製品を購入するリスクにさらされながらもオンラインでCBDオイル製品を購入することを選ぶからです。

アギウス医師は、GMP条件に基づいて製造されていない競争力の強い製品も、患者中心認定を受けている限りは考慮されるべきだと付け加えました。

今年のはじめ、アギウス医師は慢性痛や不安障害、境界型糖尿病といった軽度の代謝異常に苦しむ患者にCBDオイルを勧めていました。しかし5月に入ったとき、CBDオイルはマルタでは違法だと伝えられ(他のEU諸国では合法なのに)たため、鎮痛剤の処方に戻らなければなりませんでした。

先月、クリス・ファーン保健相はメディアに向けて、改正案が承認されたら、CBDオイル製品は管理カードを使用して薬局からのみ購入可能になるだろうと述べました。

そのようなカードは乱用の危険性がある医薬品を管理するためのものだが、CBDオイルは世界保健機関(WHO)も宣言している通り乱用の可能性がないのだとアギウス医師は言います。CBDオイルを摂取しても恍惚効果は引き起こしません。

CBDオイルはヨーロッパ中の健康食品店で、またオンラインで処方箋なしで簡単に入手することができるので、GMP認定医薬品を入手する手順があまりにお役所仕事になる場合は、引き続きオンラインで購入することを選ぶ可能性があります。

2月からCBDオイルを使用してきたシャネルは、そのゴタゴタに関わらないことに決めています。

「私はこれからもオンラインで買ったCBDオイルを使用し続けます。それが私にとって唯一手頃な製品だからです。たとえ国を去らなければならなくなるとしても、それを使用し続けます。25年経ってやっと人生を取り戻したと感じているのに、まるで再び私から人生を取り上げようとしているかのように感じます」

シャネルは重度の線維筋痛症と診断され、CBDオイルを試すまではすべての薬が効かず、仕事を失うところでした。

複数の患者にとって費用が重くのしかかっているとアギウス医師は認めました。一部の人はオンラインの価格ですら購入する余裕がなく、治療の無料化を期待しています。

ヨーロッパのCBDオイル製品に関する医療大麻事情

参考:TimesOfMalta