リトアニアが医療大麻合法化へ前進

リトアニア国会は医療大麻を合法化し、現時点で禁止されている薬物の医療利用へ門戸を開く可能性のある法改正の検討にほぼ満場一致で賛成しました。

ほぼ満場一致で賛成

11月14日、リトアニア立法府(セイマス)議員らは国の薬物政策改正を検討するために投票を行いました。この法改正は、国会議員ミコラス・マヤウスカスが11月9日に提出した、患者に医療目的での大麻仕様を認める決議草案です。保守政党である祖国同盟のマヤウスカスは、「深刻な病気の患者を治療するために医療大麻の使用を認める」ために提案は不可欠だったと述べました。また、「日常的にモルヒネ、オピオイド系医薬品を使用しているが、 代わりにはるかに害の少ない大麻薬品を利用することのできる患者に対するアクセスの必要性も強調しました。

マヤウスカスは「これほどデリケートな問題の決議が幅広い国民および政治的支持を得るのは初めてのことだ」と宣言しました。確かに11月14日の投票では92名の国会議員が草案を支持し、1名が棄権しましたが、反対の人はいませんでした。

大麻は現在、リトアニアの麻薬法(麻薬および向精神薬規制法)で最も厳しい分類区分であるリストI薬物に指定されています。すなわち大麻は「人体の健康に有害な影響を与えるため医療使用が禁止されている」という意味です。提案書は、大麻をリストIより低く再分類するのではなく、ヘロイン、MDMA、シロシビンを含むすべてのリストI薬物に関する医療大麻の自動的な禁止を解除することを求めています。承認されれば、すべてのリストI薬物が、厳格な安全性・有効性検査に合格する限り、医療使用が認められることになります。

国会衛生委員会議長で、マヤウスカスの党と反対の立場を取っているリトアニア農民・緑の連合(LVŽS)所属のアグネ・シリンスキエネは、11月14日の投票後、法改正の支持を表明しました。

「私たちはリトアニアの患者が、全てにリストI薬物から作られた安全で有効な、科学的証拠に基づいた医薬品を得られることを保証できると信じています」

法改正のためには、セイマスは12月12日の本議会で改正を承認しなければなりません。さらに、同じくLVŽS党員である保健相アウレリユス・ベリガによる承認が必要になります。2017年のはじめ、ベリガは懲罰ではなく治療としての大麻使用に賛成する議論で、大麻の所持および使用の非犯罪化を支持しました。ベリガは医療大麻に関する見解を問われた際、最優先ではないとしながらも「将来的に大麻の医療使用を合法化する決議を行うなら、乱用を防ぐために非常に明白で厳格なメカニズムを導入するべきだ」と述べました。

リトアニアにおける大麻の現状

現在、リトアニアでは大麻所持は犯罪であり、少量の所持は理論的には2年間の実刑判決を受ける可能性があります。実際には少量の所持に対してこのような厳しい刑罰は課されておらず、短期の実刑、罰金その他罰則処置が課されています。栽培の場合は、個人的使用のためであったとしても最大5年の実刑判決を受ける可能性があります。リトアニアでは今でも引き続き嗜好用大麻の使用が広く行われており、欧州薬物・薬物依存監視センターによると20人に1人(15歳から34歳)が過去1年間に大麻を使用したことがあると話しています。

提案されている法改正がセイマスと保健相に承認されれば、2019年までに実施されます。しかし、提案の成功を確信しているミコラス・マヤウスカスはその実施日を早める提案を行いました。

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参考:Talkingdrugs