てんかんの第一人者がLGS患者に対してカンナビジオールの臨床試験を実施し、素晴らしい結果を出しました。
シンシナティ大学てんかんセンター所長で、アメリカてんかん学会会長のマイケル・プリヴィテラ博士が、レノックス・ガストー症候群(LGS)に苦しむ13人の成人患者を対象に小規模の臨床試験を実施しました。その臨床試験で得られた前向きな検査結果について議論されています。
レノックス・ガストー症候群(LGS)とは小児期に発症する難治性てんかんを主症状とするてんかん症候群で、てんかん性脳症と呼ばれるグループに入ります。強直発作をはじめとするさまざまなてんかん発作をおこし、発作による脳へのダメージが原因で発達の遅れが伴います。極めて難治性で日本でも難病指定されている病気です。
ザ・ニュース・レコードがマイケル・プリヴィテラ博士の実験結果を伝えました。プリヴィテラ博士は、オハイオ州における医療大麻の現況に関しても一般的な見解を述べています。臨床試験には13人のLGS成人患者が参加しました。被験者は体重に基づいて異なる投与量のCBDを与えられました。もう一つのグループは無作為に選出され、プラセボを与えられました。被験者は平均して月に40回の発作に苦しんでいます。
てんかん治療用にカンナビジオール(CBD)を与えられたグループはどちらも発作回数が減少し、特に高用量のCBDを投与されたグループに最も劇的な結果がみられました。投与量は明記されていませんが、CBDを摂取した全ての被験者において発作回数が減少しました。投与量が少ない方のグループで37%、多いグループで42%の軽減が見られました。
オハイオ州と医療大麻
オハイオ州は医療大麻の栽培・流通を規制する方法に取り組んでおり、プリヴィテラ博士はそこに政府規制の可能性を見ています。大麻薬局で入手できる製品におけるCBDとTHCの投与量は規定されるべきであり、患者には情報が知らされるべきです。通常の治療薬の場合は何が薬に含まれているか明確に分かります。医療大麻も同様であるべきだ、とプリヴィテラ博士は話しています。
不純物検査
また、地下室で栽培・検査している人々による不純物チェックの基準に関しても博士は懸念しています。その結果は、FDA(食品医薬品局)によって行われた検査ほど正確なものでは決してないからです。このために、来年FDAに承認される予定の大麻派生薬剤が待ち望まれています。
オハイオ州医療大麻諮問委員会は今月初めに規則案を発表し、医療大麻栽培のためにサッカー場4個分より少ない面積を割り当てました。この土地は、12の大規模栽培者と6の小規模栽培者によって分けられます。オハイオ州で医療大麻が処方できる疾患のリストを考慮すると、これでは全く足りない、とプリヴィテラ博士は言います。
オハイオ州で医療大麻の処方が認められている疾患リスト
・AIDS
・がん
・筋萎縮性側索硬化症
・アルツハイマー病
・慢性外傷性脳症
・クローン病
・てんかんおよびその他発作疾患
・線維筋痛症
・緑内障
・C型肝炎
・炎症性腸疾患
・多発性硬化症
・慢性、重症または難治性の痛み
・パーキンソン病
・HIV
・PTSD
・鎌状赤血球貧血
・脊髄疾患および損傷
・トゥレット症候群
・外傷性脳損傷
・潰瘍性結腸炎
医療大麻は大学キャンパスでも使用できる?
シンシナティ大学の学生保険業務は、持病の治療のために医療大麻の処方箋を持つ学生に対処しなければならなくなるでしょう。大学キャンパスにおける医療大麻の使用方法について決定しなければなりません。大学の他の分野にも影響を与える可能性があるからです。
プリヴィテラ博士によると、もし個人が必要とする治療法が本当に効いた場合、その個人のために使用方法を見出さなければなりません。討論や議論を通じて政策を作成しなければならないでしょう。
一方で、プリヴィテラ博士は別の問題も予測しています。シンシナティ大学は連邦政府から研究助成金を受け取っているので、学生がキャンパス内で医療大麻を使用する許可を与えられれば、これに影響する可能性があります。医療大麻のキャンパス内使用が認められた場合、大学は数百万ドルの研究助成金を失う可能性があるのです。
てんかんのためのカンナビジオール
大麻派生薬剤がやっと承認されようとしている段階で、 CBDが薬であると見なされ始めたところなので、今、てんかん治療に対するカンナビジオールの使用に関する現実を議論するのは非常に困難です。CBDはドラベ症候群からレノックス・ガストー症候群、重症で制御不可能な事例まで、幅広い疾患による発作を抑制します。てんかんを併発することがある自閉症患者の発作の抑制にも有効です。
