大麻はタバコより安全だ、という提言はそれほど物議を醸すものではないでしょう。大麻も喫煙するとわずかに発がん性物質が発生しますが、それでも数多くの有害物質が含まれるタバコよりはましです。
喫煙は癌の他にも多くの健康問題を引き起こします。手足の指の動脈/血管にある毛細血管が周囲の組織の炎症によって詰まる病気、閉塞性血栓血管炎(TO)もその一つです。イスラエルの症例研究で、大麻の大量使用が閉塞性血栓血管炎の影響を無効化することが分かりました。
バージャー病(TOの別名)の兆候は虚血と呼ばれる症状によって発見されました。虚血または局所貧血とは、血行不良による栄養不足(グルコース、酸素など)が原因で組織(皮膚・筋肉)が死ぬ状態を意味します。この血行不良はTOによる血栓によって引き起こされます。閉塞性血栓血管炎は、喫煙であれ噛みタバコであれ用法を問わずタバコの使用が直接の原因です。タバコがこれらの症状を引き起こすメカニズムは分かっていませんが、タバコの喫煙者しかバージャー病になりません。興味深いことにバージャー病に罹患する傾向は男性の方が顕著であるようです。これは男性の方が、喫煙率が高いことが原因かも知れません。
医療大麻と閉塞性血栓血管炎の関係はこれまでに調査されていないにもかかわらず、なぜ医師は大麻を処方したのでしょうか?実際のところ、この医師は最初に大麻を処方したわけではありませんでした。
大麻がタバコによる虚血を阻止
患者であるボブはヘビースモーカーで、1日に約2.5箱もタバコを吸っていました。ボブは足に重度の痛みを訴えて病院にやってきました。閉塞性血栓血管炎が原因で大規模な感染症と虚血が起こっていたのです。あまりに症状が進行していたので、ロビンソン医師はひざ下の切除手術を勧めたほどです。ボブはこれを断り、1日2回の大麻で自己治療することを選びました。6ヶ月後、痛みは軽減され、その後2年半にわたって引き続き痛みは抑制されました。その間にボブは喫煙量も減らしました。
最初の6ヶ月が経った後、ロビンソン医師はボブに医療大麻治療と呼ばれる形式で医療大麻を処方することができました。ボブの医療大麻治療投与量は数年の間に徐々に増えていきました。医療大麻治療と感染症治療用の抗生物質を飲み始めてから3年後、ボブの虚血はほぼ完全に治り、瘢痕も最小限に抑えられました。
大麻による作用はCBDの抗炎症効果によって虚血肢に血流が戻ったおかげだ、とロビンソン医師は考えています。しかしこれは症例研究であり、さらなる研究が実施されない限り虚血の無効化に関する大麻の効果を示す統計的有意性は認められない、とも述べました。したがって、医療大麻やCBDオイル製品が閉塞性血栓血管炎や虚血といった疾患・症状に有効であると明白に主張することはできませんが、こういった初めての事例が挙がるのはとても興味深いことです。
日本でも医療大麻を合法化する以前に、大々的な大麻研究を法的に認めれば、数多くの薬効が明らかになるでしょう。論より証拠と言いますから、まずは研究によって効果を実証する証拠が増えるといいですね。この記事では医療大麻治療についての摂取方法が明記されていませんが、医療大麻を喫煙したことが予想されます。
それであれば、カンナビジオールを気化して摂取するヴェポライザーが非常に効果的なのかもしれませんね。

参考:HighTimes