国連 世界保健機関 WHOは大麻の安全性を見直した結果「安全な薬物」と宣言

国連 世界保健機関(WHO)は大麻の安全性を見直すために初めて集いました。すでに世界中で数百万人がさまざまな疾患を抑えるために大麻を使用していることを指摘し、大麻は「比較的安全な薬物である」と宣言しました。

この宣言は、大麻に関する「国際的規制の必要性とレベル」について国連に対して委員会が準備している勧告に影響を与える可能性があります。大麻禁止は、元々1961年に制定された国際麻薬条約によってほぼ世界中に実施されています。報告書によると、2015年、世界では推定1億8300万人の成人が大麻を使用しました。大麻は135ヶ国で栽培されており、「世界中で最も広く違法栽培されている薬物」です。

国連委員会は、31ヶ国953人の医療大麻患者を対象に調査を実施しました。大半の患者が、数年間にわたって大麻系医薬品を使用していました。またほとんどの人が、医師の監督下で大麻を使用していました。しかしまた大半の人が、医師による勧告を得る前に大麻を試したことがあると答えました。

大麻が最も多く使用されているのは鎮痛目的

報告書によると、さまざまな形態の大麻は、腰痛、睡眠障害、不安障害、うつ病、損傷後の痛み、多発性硬化症の抑制に最も多く使用されています。疼痛、睡眠障害、不安障害の3つが、大麻で最も一般的に治療されている疾患でした。

アメリカでは推定220万人の患者が、医療目的で大麻を使用しています。最も多く引用されている適応疾患は疼痛です。イスラエルとカナダでも、医療大麻患者で最も多い適応疾患は疼痛でした。一方で、イギリスの医療大麻患者の30%は多発性硬化症の治療に大麻を使用しています(イギリスでは、大麻系医薬品サティベックスが多発性硬化症の治療に一般的に処方されています)。

興味深いことに委員会は、カンナビノイドが「がん細胞増殖を抑制し、数多くのがん細胞タイプにおいてがん細胞移動および血管形成を阻害する」ことを示唆した「大量の前臨床文献」を挙げました。これは極めて有望な分野で、さらなる研究が待たれます。

また嗜好用大麻の使用者もいます。国連の報告書に寄れば、世界人口の約3〜5%が非医療目的で大麻を試したことがあります。興味深いことに、報告書によって調査された2つの研究は、大麻を医療目的で使用する人とそうでない大麻使用者の間には大きな違いは見られないとしています。

しかし、医療大麻患者の方が嗜好目的の大麻使用者よりも多く大麻を毎日使用していることがある研究で分かっています。医療大麻患者の方が、嗜好目的の大麻使用者より健康状態が悪い傾向にあります。しかし研究では、アルコール中毒や非処方箋薬の薬物使用のレベルが低いことも分かりました。

大麻に関する研究の遅れが原因

国連の報告書は、大麻に関する科学研究が不十分だと指摘しました。一般の関心は高いですが、主に禁止という法的規制のため、臨床試験はごくわずかしか実施されていません。

「アメリカにおける研究への障害は、複数の連邦機関(DEAやFDAを含む)を切り抜けることの困難さや、研究倫理委員会および地方・州管理の懸念などがあります」と報告書は記しています。

また国連の報告書は興味深いことに、アメリカにおける科学研究に関する大麻の1つの供給源から品質管理問題にも触れています。すべての連邦大麻は、ミシシッピ州オックスフォードにあるミシシッピ大学のキャンパス内にある農場で栽培されています。

アメリカンズ・フォー・セイフアクセス(ASA)理事のステフ・シアラーは次のように述べています。「現在の大麻使用に関する国際政策は時代遅れで、アメリカならびに世界中の患者に対して有害な影響を与えています。これらの政策は、医療大麻法を可決させた世界30ヶ国以上の現実を反映していません」

すべての薬物を非犯罪化したい国連事務総長

アントニオ・グレーテス国連事務総長は、今年3月にすべての薬物の非犯罪化を支持するスピーチを行いました。グレーテスの意見は、国連トップの麻薬役員の意見に反するものです。彼らは同じ週の前半に、世界中の大麻合法化を避難する報告書を発表していました。

グレーテスは動画メッセージで次のように話しています。

「違法薬物市場を撲滅する現在の取り組みは目標に達していません。我々は、人権を保護し、発展を可能にし、人権に基づいた治療とサポートを保証しながら、組織犯罪を阻止する取り組みを促進することができます。私は、約20年前、私がポルトガルの首相だった頃に導入した法改正の結果を特に誇りに思っています」

グレーテスはポルトガルの首相として、2001年にすべての薬物の非犯罪化を導入しました。この政策は成功と見なされており、世界中の支持者から称賛されてきました。ポルトガルではこの政策によって、過剰摂取死、HIV感染、全体的な薬物の使用数さえもが減少しました。

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