カナダ、トロントのストリートで売買される大麻を分析したところ、12のサンプルにはCBDがほとんど含まれないことが分かりました。一方でTHCは、多すぎるほど含有されていました。カナダは、あちこちに医療用や娯楽用の大麻製品販売店が乱立するなか、大麻合法化の準備を進めています。カナダの大麻薬局は違法な運営を行なっているにもかかわらず、急速に広まっています。大麻合法化は2017年春に導入され、2018年までに有効となります。
大麻の抗精神病成分であるカンナビジオール(CBD)はトロントの販売店が取り扱う大麻株に含まれていない
カナダ放送協会(CBC)が、トロントのストリートにおける大麻販売の実態を調べ、7つの店舗から12の大麻サンプルを入手しました。サンプルを取得した大麻株は、オススメ製品もしくは一番人気な製品でした。サンプルは、THCとCBDの濃度を検査するために認定研究所に送られました。
その結果、THCの平均濃度は約20%で、高いものでは30%に到達しました。THCは、大麻を喫煙した際に感じるハイな効果をもたらす精神活性化合物です。ブリティッシュ・コロンビア大学の植物学教授ジョナサン・ペイジは、1970年代のTHC濃度は2〜8%だったと言います。
検査した株にCBDは含まれなかった
サンプルの検査結果にCBDは含まれていませんでした。カンナビジオール(CBD)は、不安、被害妄想、精神病といったTHC濃度が高い大麻株による精神活性効果または副作用を中和するとして知られているカンナビノイドです。またCBDは、小児てんかん、統合失調症、関節炎など多くの疾患の治療を対象にした研究が進められている化合物でもあります。
神経科学者スティーブン・ラヴィオレット博士は、大麻が人間の脳に与える影響を研究するカナダの第一人者研究者だと考えられています。博士は、大麻の化学物質が人間の脳や青年期のラットの行動に与える影響を12年以上研究してきました。前述の大麻検査結果は憂慮すべき事態であり、トロントのストリートで販売されている大麻の精神的・神経生理学的影響は根本的に歯止めが効かない、とラヴィオレット博士は述べました。
高濃度のTHCに露出した10代のラットの脳は妄想症や統合失調症のような症状を見せた一方で、CBDは統合失調症のような症状を逆転させたことを、ラヴィオレット博士は発見しています。
不正確なラベル表記
12のサンプルのうち6つにおいては、THC含有量は13〜23%であると表記されており、1つのサンプルにはCBDを1%含むことが記載されていました。検査の結果、ラベル表記は不正確だったことが分かりました。ラベル表記との誤差が1%以内だったサンプルは、たったの2つでした。ほとんどのサンプルで、表記されているよりも多くのTHCが含まれていましたが、1つだけ表記のたった半分だったサンプルもありました。
例えば1つのサンプルでは、THC濃度は13%と記載されていましたが、検査の結果18%だったことが分かりました。ラベル表記の無いサンプルには、15〜30%のTHCが含まれていました。どのサンプルにもCBDは含まれませんでした。
THCを強化するように交配された娯楽用大麻
大麻合法化および規制に関する連邦対策本部副部長のマレク・ウェア博士は、娯楽用大麻は大麻の恍惚的効果を増加させるためにTHC量を強化し、CBD量が少なくなるように交配されているようだ、と述べました。THCとCBDの相互作用に関してさらなる研究が必要であり、娯楽用または非医療用にTHCおよびCBD量を勧告するのはまだ早過ぎます。カンナビノイドに関するより深い理解が必要だ、とウェアは強調しました。
合法的に大麻を購入できる最少年齢も、対策本部が決定しなければならない事項リストの一つです。ほとんどの科学者は、人間の脳は25歳まで成長を続ける、と考えています。「法令には教育も含まれる」とウェアは言います。若年者および若い成人は、大麻使用に関する事実や科学によって解明中である事項について学ぶべきです。
抗精神病性カンナビジオール
簡単に言えば、抗精神病性のカンナビジオールがある一方で、CBDによって中和されなければ精神病の発病に関連づけられるTHCが存在します。娯楽用大麻では交配を通じてCBDを除去しようとし、それに成功していますが、その結果娯楽用大麻の中のバランスが崩れています。これは懸念事項です。特にこれらが医療用に使用されることになれば問題となるでしょう。
こういった状況があると、どの製品を購入すれば安全なのか不安になりますよね。日本では、THC濃度が0.3%未満であること、オイルの抽出元がヘンプの茎であることが明白に証明できれば、合法的にCBDオイルを輸入・販売・所持できます。逆に言えば、この条件をクリアしてCBDオイルを扱っている正規代理店が販売している製品なら安心と言えるでしょう。また、ヘンプメッズやエンドカ、ブルーバードなどの海外大手CBDオイル・メーカーは第三者機関による検査を徹底しており、検査結果を公式ホームページで公開しているところもあります。自分が摂取するCBDオイル製品の内容量が心配な方は、気になる製品の公式ホームページも合わせて調べてみると良いでしょう。
