合法化の波:麻薬探知犬が大麻を無視するように訓練されている

ことわざにある通り、犬は人間にとって最良の友です。もちろんあなたが大麻を持っていて、その犬が麻薬を探知するよう訓練された警察犬でなければ。麻薬検知犬は、エンタメ会場から公共交通機関、空港まであらゆる場所に人々の心臓をドキドキさせてきました。

当然ながら自分の大麻を外で持ち歩く大麻使用者にとって、麻薬犬をまくための手段を考案するのは必須となりました。指南書であふれているインターネット上には、大麻を持っている時に麻薬検知犬を避ける方法なんていうものまであります。

しかしアメリカではもうすぐ、大麻を持ち歩く人々が麻薬検知犬のことを心配しなくて良くなるかもしれません。

新しい麻薬検知犬は大麻訓練を受けない

このほとんど知られていない傾向は、アメリカで拡大し続ける大麻の合法化や非犯罪化の結果として急速に進んでいます。

ますます多くの麻薬検知犬が大麻を無視するように訓練されています。代わりに、訓練ではヘロインやエクスタシー、メタンフェタミンといったハードドラッグの探知にさらなる焦点が当てられています。

これは大麻禁止法が市政機関や全国で緩和・破棄されたからではありません。むしろ多くの州で起こっている大麻合法化が、数十年に渡って刑事司法改正支持者が圧力をかけてきた問題に変化をもたらすのに役立っていると言えます。

簡単な事実ですが、警察犬はいつも正確なわけではありません。大麻が合法化されつつある今、その不正確さやそれによる冤罪が明るみに出始めています。

合法的な大麻が麻薬検知犬に問題をもたらしている

麻薬検知犬はアメリカで1960年代後半に一般に普及して以来、常に厳しい批判にさらされてきました。その批判の多くは理にかなっています。人々の憲法上の権利ならびに人権を守るために、警察は捜査を実施する際に特定の政策や手順に従わなければなりません。しかし犬はもちろん権利章典は読めませんし、警察の手順に反しているかも分かりません。

麻薬探知犬は、匂いを嗅ぎ、吠える、という課された仕事をこなすだけです。そしてそれは、警察に相当な理由なく捜査を実行する可能性を与えています。

別の角度から見れば、2011年にシカゴ・トリビューン紙で大きなスキャンダルとなった記事には、麻薬探知犬はハンドラーが持つ偏見や先入観を受け継ぐことがあると書かれていました。アメリカにおける麻薬取締局の人種的に偏りのある歴史を考えると、これは大問題です。

それに加え、麻薬探知犬は時に完全に間違っていることもあります。

後にまで残るような残臭は誤報を招くことがあり、違法物質が除去された直後にいた人が示されることがあります。最後に、麻薬探知犬に対する義務的訓練または認証基準、規制といった類のものはどこの州にもほぼ存在しません。

概して麻薬探知犬はあまり信頼できません。裁判官も、探知警告後に集められた証拠が認められないために多くの裁判を却下しています。

裁判官「麻薬探知犬はプライバシー権を侵害している」

大麻合法化はこれらの問題を悪化させました。今年の7月、コロラド州の裁判所では、麻薬探知犬による探知は許可なしに車内を捜査する十分な理由とならない、という審査団の判決により、2015年ケビン・マクナイトの薬物有罪判決を覆しました。

3人の陪審員は判決に次のように書きました。「犬による探知は、コロラド州法によって正当なプライバシー権を持つとされる物質に関する通報となることがあります」

言い換えれば、コロラド州は大麻が合法なので、大麻を探知するよう訓練された犬はプライバシー権を侵害する可能性があるということです。また陪審員はさらに奥まで踏み込みました。陪審員は、犬による探知自体が「捜査」とみなされると判断したのです。つまり、犬のよる探知=「捜査」の最中、または結果として集められた証拠は、裁判所から却下されるということになります。

裁判官の判決は広範に及ぶ効果を持ちます。なぜなら今後は、大麻を探知するように訓練された全ての犬は、ただ匂いを嗅ぎ回るだけで違法な捜査を行っていることになるからです。犬たちが何の匂いを嗅ぎつけたのは警察に伝えられれば良かったのですが、犬たちはそれがヘロインなのか覚せい剤なのか大麻なのか警察に伝えられません。だからこそ、匂いを嗅ぎまわる「捜査」が違法になるのです。

麻薬探知犬の未来

同様の事例や法的判決が、ワシントン州シアトルやオレゴン州でも起こっています。どの場所も成人の娯楽目的の大麻使用が合法の地域です。

これら全ての地域で警察は、新たな警察犬の訓練から大麻訓練を段階的に廃止し始めています。歳をとった一部の犬は引退に向かっています(これらの地域に住んでいるなら、引退後の犬を引き取ることができます!)

もちろんこれは麻薬探知犬の終焉ではありません。

麻薬探知犬の訓練の焦点が、よりハードなドラッグに変化するだけです。それでなくても警察犬は、行方不明者の捜索や爆発物の探知、警備に関して重要なツールです。

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もうまもなく大麻を持参して旅行していても、警察犬に怯えなくて良くなるかもしれない、という日本ではまだまだ考えられない事態がアメリカでは進行しているようですね。日本では空港の税関くらいしか麻薬探知犬を見かける場所はありませんが、調べてみると日本でも麻薬を持っていないのに麻薬探知犬に間違って探知されたというケースがあるようです。

CBDオイルの場合はどうなのか?

ちなみに日本でも合法的に購入・使用できるCBDオイルの場合はどうでしょうか?CBDオイルは、精神活性成分THCの濃度が0.3%未満のヘンプの茎から抽出された場合が合法です。例えばCBDオイルでもヘンプの花から抽出されていたら違法となるわけです。正規の代理店を通して日本に輸入されているCBDオイルに関しては、成熟したヘンプの茎から抽出したという誓宣書が存在するので安心ですが、個人輸入の場合は気をつけた方が良いでしょう。

CBDオイルは密封されていたら匂いなどしないと思いますが、犬の嗅覚でどこまで探知できるのかは分かりません。実際、 オイル状やペースト状のCBDオイルは開封すると草っぽい香りがするので、ひょっとしたら空港などに持っていくと探知されるのかもしれませんね。試したことはないですが。ただ探知された場合も、上記の通りに説明してこれは合法な製品だと証明できれば大丈夫だと思います。

旅行するときにCBDオイルを持って行きたいけど、税関が不安だという場合は、匂いがしないカプセルや結晶タイプなどを持っていくのがベストかもしれませんね。

https://www.cbd-oil.jp/
参考:HighTimes