2019年、CBD業界はこれまで考えられなかったほどの大きな成長を遂げました。しかし今、新たな疑問が頭をもたげます。2020年に、この産業はどんな局面を迎えるのか?世界でも最先端をいくアメリカのCBD業界の新たな1ページを覗き見てみましょう。
アメリカではおよそ1年前、2018年農業法が可決され、ヘンプとその関連商品は、明確に合法化されました。それに伴い、一般の小売店でのCBD商品の流通も可能となり、以来CBDはアメリカの国民に強く支持され、2020年も新製品の登場や、販売が続いていくことが見込まれます。しかしながら、CBD業界は新たな壁と向き合う可能性をはらんでいます。米国食品医薬品局(FDA)が、CBD商品の新たな規則を発表することが予想され、また、CBDの消費者からの要求もより発展していくことが考えられるからです。
新年始まってすぐのこの時期に、2020年のCBD業界のこれからの景色を彩っていくことになるであろう10の流れを予想してみたいと思います。
目次
CBD業界のさらなる成長
CBD業界は間違いなく、さらなる拡大発展を2020年に遂げるでしょう。ブライドフィールド・グループによれば、米国でのCBDの売上は、2019年に40億ドル(約4350億円)を超え、2023年までには237憶ドル(約2兆6000億円)まで上がるだろうと言われています。過去3年間、CBDがオンライン上で検索される回数は100%以上ずつ上昇しており、アメリカ国民はより一層CBDへの関心を高めていると言えそうです。
CBD化粧品とスキンケア商品の爆発的な成長
2020年は、CBDスキンケア商品とCBD化粧品にとって最も重要な1年になりそうです。活況を呈すCBD業界は、スキンケア業界における革新への意欲と相まって、CBD化粧品やCBDスキンケア部門の起業家たちにとって、好機に恵まれることになっていくでしょう。コヒーレントマーケットインサイトの予想によれば、世界中の化粧品業界も2019年から2027年の間に、年間4.37%の年平均成長率を見込まれており、相乗効果が期待できそうです。
より幅広いCBDの消費者
大麻を摂取することに対するネガティブなイメージは、2020年からは減少していき、CBDの標準化そして地位の上昇は、新たな消費者を引きこむことになりそうです。実際、既にアメリカ人のうち10人に9人は大麻の合法化を支持しているということが、ピュー研究所の調査によって明らかになっています。アメリカが大麻全体の合法化に向かって斬新的な動きを続けるに伴って、CBDを含むすべての化合物の健全なイメージや受容が形成されていくことになると思われます。
この傾向は、歴史的に大麻に対する躊躇を抱いてきたベビーブーム世代(団塊世代)に衝撃を与えるのは間違いありませんが、しかし実際、ヘンプから抽出されたCBDオイル商品は彼らの健康や精神の状態を改善します。そのため、こういった世代の方でもこの商品に関心を抱くようになっていくことが考えられます。
CBDの新たな規則が登場し、産業に指針を示す
CBDの規則がまもなく制定されます。より厳しい法が施行されることで、この業界での活躍の場が与えられるのは、厳格な製造と検査工程を行う、適法の企業だけとなっていきそうです。米国食品医薬品局(FDA)はCBDの規則について熟考を続けており、数ヶ月のうちにはCBD商品製造、流通についての公式な声明を出すと見られています。FDAは既にCBDを食品に添加した企業や、医療上の主張を行う企業をきつく取り締まっています。
今年FDAが規則を発表することになれば、既存のCBD企業の多くがその規則に対応し続けることに労力を割かれ、継続が難しくなる可能性があります。また、この市場に新たに進出を考えている小規模な企業にとっては厳しい状況です。CBD業界で生き残れる担い手は減っていき、規則に見合うようにすること、製品の品質、そして他者の失敗から学ぶことが、何より重要な価値を持つことになりそうです。
しかし、規則の骨組みが改善されるにつれ、栽培と製造過程については一層厳しく、高度な基準が提示されることになります。より高い品質が求められ、安全性の基準が設けられることで、本当に信頼のおける生産者や販売者と、何の経験も持たない生産者や単に利益を求めているだけの企業を、しっかりと区別することが可能になります。一旦状況が落ち着けば、製造、検査の工程の規則はより確固とした、より業界にフィットしたものとなるでしょう。
銀行、そしてオンライン販売の媒体を見つけることが容易になる
CBDを扱う企業はこれまで、オンライン販売の場を見つけることや、取引してくれる銀行を見つけるのに大変な苦労を強いられてきました。しかしこれは、2020年に変化していくとみられます。CBD業界の不安定さは減少し、より多くの銀行とネット販売の媒体が、合法となったCBDの関連商品を扱う会社と取引をしていくことになりそうです。
CBDの広告に関する状況が画期的に変化
ヘンプが合法になったとはいえ、多くの業者がCBD企業と共に働くことに尻込みをしています。大麻に関わる産業の担い手とパートナーシップを組むことで、刑罰を受けるリスクに自らをさらしているのではないかと恐れているのです。
しかし、これも2020年には変わるでしょう。フェイスブックは既にCBD企業の広告を解禁し、その他の媒体でも合法であるCBD商品の広告に関する方針が和らげられていきそうです。
医療施設にもCBDが受け入れられていく
CBDが安全で、しかもナチュラル、そして健康への効果を発揮する商品としてより広く受け入れられていくのに伴い、多くの健康や医療の専門家が、CBDオイルのバランス効果を知り、取り入れていくことになりそうです。科学者たちはまだ、CBDがいかに自然に体のバランスを整えるかを知ったばかり。大麻に対して最近前向きになりました、という人の数はまだ多く、そういった人々はCBD商品をどうすればウェルネスや健康に活用できるか、方法を探しているところです。
2020年は、多くのヘルスケアや医療専門家、医者から理学療法士、パーソナルトレーナーに至るまでが、CBDオイルを業務の中で役立たせる姿を見ることになると予想されます。CBDは既にカイロプラクティックの施設や、ヘルスストアに並ぶようになっており、より一層の人気を獲得していきそうです。
フルスペクトラムの利用に焦点があたる
CBDはアサ科植物から生まれた、何百もの天然由来物質の1つに過ぎず、マーケティング担当者や、メディアは既に、その他のカンナビノイドについて話題にし始めています。たとえば、CBN、CBD、CBG、THCVなどで、これらは健康への効果、機能を持っている可能性が示されています。
これらの化合物についてはまだまだ多くの研究が必要とされます。しかし、ヘンプの純粋な抽出物であり、カンナビノイド、テルペン、栄養素などのすべての活性化合物を含んでいる、フルスペクトラムのCBDオイルへの特別な注目はより一層高まることになるでしょう。2020年には、CBD商品を求める消費者の声は、フルスペクトラムのCBDオイルを求める声を含むことになっていきそうです。
カンナビノイド研究が増加
およそ1年前、2018年農業法が可決されたことによりCBDを含むヘンプ由来カンナビノイドの研究への道がはっきりと開かれました。2020年、研究者たちは、より厳しく、プラセボ対象二重盲検試験を取り入れた形でカンナビノイドを研究することが容易になるでしょう。加えて、より世間の注目がCBDや他の大麻由来のカンナビノイドに集まることに伴い、科学的な調査も花開くステージを迎えそうです。
消費者のこだわりが強くなる
CBDに精通した2020年の消費者は、CBD商品が農場から陳列棚にたどり着くまでのトレーサビリティにより高い期待を抱いていくでしょう。消費者は、自らが購入するCBD商品の質と安全性に一層注意を払い、分析証明書(COA)でナチュラルで安全であることを保証された、より高品質の商品を選ぶようになるでしょう。
消費者は、その商品が作られる際に使用された大麻植物についての情報を一層求め、その農法や、商品の組成についての情報も求めることになっていきそうです。
もっともっとCBD!!
2020年は、CBD業界から目を離すことのないようにしてください。CBD業界は、はっきりとしない規則の中で苦労しながらもなんとか足がかりを見つけ、新たな一年への準備を整えてきています。
出典:HempMeds