カンナビジオール(CBD)製品が、犬や猫の不安症から食欲不振までさまざまな病気の治療に有効であると信じる獣医はますます増えていますが、連邦法および州法のため、この件に関して獣医が飼主と話し合うのはほぼ不可能です。
そのために、カリフォルニア州の獣医グレッグ・リヒターとコロラド州のホリスティック獣医およびペット・ハーバリストのロブ・シルバーはそれぞれの州内外で、大麻を使用したペットの治療効果について飼主や国会議員を啓蒙する活動をしています。シルバーは、動物にとってカンナビノイド治療が適切か決めるのを助けてきた経験と研究を参考にした『医療大麻&ペット:ガイド決定版』という本まで出版しています。
Leaflyはロサンゼルスで開催されたグリーン・フラワー・メディア・大麻と健康サミットで2人の獣医に会い、飼主がCBDを用いた養生治療を始める前に知っておくべきことについて話を聞きました。
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獣医がペットに大麻を処方するのは違法である
獣医はスケジュールI薬物を処方する権利を持たないので、地元の動物病院に行って飼い犬のために一袋もらえると期待しないでください。実は多くの州で獣医は、飼主に大麻の潜在的な治療上の使用について話すことを禁じられているのだ、とリヒターは説明します。
「誰も法的危険にさらされないために、今は獣医と飼主の間でされる会話には非常に慎重にならなければなりません」
シルバーは、多くの獣医がペットに大麻を処方することで獣医師免許剥奪や刑事処罰のリスクにあるので、大麻について話すときは非常に注意深くならなければならないのだ、と付け加えました。
「米憲法修正第1条の言論の自由がある限り、この件について話すのは、医学的アドバイスをするのではなく、教育的情報を与えるのであれば、状況はずっと受け入れやすいのです」
カリフォルニア州ではリヒターが、人間に対して医療大麻を認可されたのと同じように動物に対する“例外的使用”を合法化する法律制定の推奨運動を先導してきました。リヒターは獣医が「ペットに対する大麻の安全性および効果的利用に関して人々に指針を与える」ことを認める変更を求めるネット状の嘆願を立ち上げました。
「大麻またはヘンプを使った動物の治療に関わる」と獣医は懲戒処分の危機に直面する、と嘆願書に書かれています。
カリフォルニア州獣医師会によると、ペットに対する治療に大麻またはヘンプが使用されたことに関係する苦情があった場合、獣医師会は「調査を実施し、調査結果が正当である場合はしかるべき懲戒処分を取る義務があります」
ペットが小さい人間であるかのように投与量を計算しない
動物に使用するとき、人間と同じ大麻の投与量や推定量を与えようとすることは「災難への招待状」だとリヒターは警告し、THCの過剰摂取はペットに重大な健康上のリスクを招くと述べています。大半の問題は単純にペットが飼主の隠し場所に入り込み、見境なく大麻を食べてしまったことから起こりますが、不注意な投与もまた問題を起こします。
「THC量が非常に少ないヘンプ・ベースのカンナビノイドは、ほぼ万全の準備となりことができます」—ロブ・シルバー獣医師
緊急治療室行きを免れるためには、ペットの必要性にあった適切な製品を選ぶことから始め、少しずつ与え始めることだと、リヒターは言います。投与量を増やすときは副作用がないか注意深く観察し、ペットに悪影響を与えているようなら治療をやめましょう。
過剰摂取の兆候には、嘔吐、下痢、平衡トラブル、またはボーっとするなどが含まれます。
大麻を試せない?それならヘンプ派生製品を試そう
住んでいる地域によっては大麻製品を見つけるのは困難です。幸いにも、CBDオイルの治療薬は全50州で入手することができ、同じような効果を得ることができます。CBDオイル製品は、称賛される医学的用途を持つが、THCがもたらすような精神活性的ハイを引き起こさない大麻化合物、CBDが豊富です。
シルバーは、全生物種の中で犬が脳の後部に最高密度のTHC受容体を持つことを発見した、数十年前の政府による研究を挙げました。そのために犬はTHCの効能に非常に敏感なのだ、とシルバー。ヘンプ製品に含まれるTHC量は非常に少ないので、過剰摂取のリスクも低くなります。
「私の経験では、THC量が非常に少ないヘンプ・ベースのカンナビノイドを使用することは、適用に関して万全の準備をしてくれることが分かりました。私はいつもそこから始めます」
カリフォルニア州に住むリヒターは、ヘンプ系製品が効果的かつ広く入手可能であると認識する一方で、彼は可能な場合はアントラージュ効果を利用するために大麻製品を使うことを選びます。
アントラージュ効果とは、大麻に含まれる数百の活性化合物が相互作用することで得られる相乗効果のことです。特定の要素を分離するとアントラージュ効果は消えてしまう、とリヒターは言います。
ペットにも不安障害、関節炎、がんがある
投与量は異なりますが、人間の治療に使用されるのと同じ疾患で、大麻をペットの治療に使用することができます。大麻は、犬や猫の不安障害、ストレス、関節炎、発作、がんの症状などを含む病気の治療において非常に有効であることが証明されている、とリヒターは言います。
「大麻は正しく使用すれば、全く驚くほど万能な薬です」
これまでのペットに対する大麻使用の調査および研究は、飼主たちがペットの分離不安、騒音恐怖症、過敏性腸症候群、食欲不振などを管理するために大麻ベースの製品を試したことがあることを示しています。
昨年ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ホリスティック・ヴェテリナリー・メディカル・アソシエーション誌に発表された報告によると、犬の飼主たちはヘンプ・ベース製品が痛みの治療やペットの睡眠を助けるのに最も効果的だったと報告しています。引用されていた最もよくある副作用は鎮静状態と過剰な食欲でした。犬も大麻によって食欲が増すことが分かりました。
ペットは喫煙できないので、代わりにこの方法を試そう
最近は、ペットの治療に簡単に使用できる、ビスケット、柔らかいチューズなど多くのペット用食品があります。しかし、それよりも良い方法はチンキ剤(CBDオイル)です。
「最も一般的に提案される投与方法は、通常オイル状で、一定量のカンナビノイドを含むチンキ剤と呼ばれるものです」
チンキ剤は通常スポイト付きの小さなボトルで販売されているエキスで、1滴または1mlでの使用が推奨されます。カンナビノイドはペットの口内粘膜から最も良く吸収されるので、チンキ剤をペットの舌に垂らすだけで簡単に投薬できる、とシルバーは付け加えます。シルバーは、さまざまなビタミンやCBD治療薬などのヘンプ・ベース製品を販売しています。
ヘンプメッズ社が犬や猫、馬などの哺乳類動物用のペットCBDオイルを発売しています。人間同様に哺乳類動物もカンナビノイド受容体を体内にもっているため、CBDの効果を得ることができます。健康サプリメントとしても毎日の健康促進に役立てられます。

出典:Leafly
