2008年頃からCBDは骨の形成において重要な役割を果たすことが噂されていましたが、現在、複数の研究がこれを裏付けています。CBDは骨折治癒プロセスならびに骨の強化を補助する可能性があることを、科学が裏付けています。複数の研究が、CBDと骨の治癒に関する憶測を裏付けました。ただ噂ではなくなりません。ウェブサイトSnopes.comでアレックス・カスプラックが、CBDによる骨形成メカニズムを裏付ける研究について深く掘り下げています。
医療用でも娯楽用でも、大麻は世界中でますます受け入れられるようになり、社会によって悪魔化されることが少なくなってきました。数千年前から薬として使用されてきた大麻に関して、さらなる研究が必要だという声がよく聞かれます。
分かっていることはごくわずか
数十年間にわたり最も物議をかもす植物であった大麻について、分かっていることはごくわずかです。薬物戦争が始まり、研究さえも禁じる厳しい規制法ができて以来、大麻は身をひそめていました。1990年代に行われたほんの小さな研究が、 哺乳類の生体系に存在する「エンドカンナビノイドシステム」の発見をもたらしたのは実に皮肉なことです。
エンドカンナビノイドシステムは、体内の自然なバランスと同義であるようです。バランスが保たれていれば健康で、バランスが崩れれば病気が起こります。体の自然な状態というのは、バランスが取れた状態のことを意味します。
この観点から、大麻草に含まれるカンナビノイドの一つであるカンナビジオール(CBD)がバランスの回復が必要なときに利用できると考えられます。CBDには、強力な鎮痛特性と抗炎症特性があることが研究で分かっています。またCBDは、ドラベ症候群における神経学的症状によって引き起こされる発作を抑制します。
CBDが活性化し、THCが抑制する
米国科学アカデミーで発表された論文で、CBDがこれまで知られていなかったエンドカンナビノイド受容体GPR55に作用することが示唆されました。GPR55は、骨塩吸収による骨量の調節に関与しています。さらに研究では、THC(大麻の精神活性カンナビノイド)がGPR55に対して逆の効果を持ち、骨密度におけるCBDの有益な効果を軽減する可能性があることも示されました。
それから数年のうちに、CBDが骨折に有益な効果を示し、骨の治癒を助ける可能性を示すメカニズムに関する研究がさらに2件実施されました。1件目はバイオケミカル・ファーマコロジー誌に発表された研究で、間充織幹細胞の骨折場所への移動を強化するCB2受容体をCBDが活性化することを示しました。間充織幹細胞は石灰化骨を形成します。
CBDは骨折した骨の強度を向上する
2015年にジャーナル・オブ・ボーン・アンド・ミネラル・リサーチ誌に発表された研究は、CBDが骨折の治癒に役立つことを再確認しました。研究者は実験用ラットにおいて、骨折後に治癒した大腿骨の強度をCBDが強化したことを発見しました。
2016年にフィジオロジカル・レビューズ誌に発表された調査ではCBDと骨生理学を結びつける上記3つのメカニズムをそれぞれ調べ、その証拠は科学界から大きく支持されています。
CBDと骨
エンドカンナビノイドシステムの広範囲な機構が分かれば、健康と病気に関する理解がさらに深まるでしょう。病気の観点から見ると、私たちは表面的な症状を化学物質で治療していますが、それは健康の自然なバランスを回復することとは対照的です。CBDと骨の治癒の関係は、壊れたものを自然に修復させるエンドカンナビノイドシステムの一面を示したに過ぎないでしょう。
