脳腫瘍から回復した4歳の男の子
4歳のウィリアム・フロストは、2014年に上衣腫と診断されました。手術と化学療法では効果を得られず、2016年に医師たちはついに治療を断念しましたが、両親は諦めませんでした。両親は代替治療を探し、脳腫瘍のためのCBDを発見しました。
父親のスティーヴは異変に気付いた時のことを次のように語りました。
「2013年後半、私たちはウィリアムの頭が右側に傾いていくのに気がつきました。誰もそんなものを見たことはありませんでした。ウィリアムはバランスが取れなくなり、不規則に嘔吐を始めたので、家庭医に診せたんです。耳鼻科や咽頭科を勧められましたが、あまりにも容態がひどくなったので、緊急救命科に連れていきました。数日後、何かが深刻におかしいと気づいた医師たちがウィリアムをMRIスキャンしました。そこでゴルフボール大の腫瘍が発見されたのです」
腫瘍における大麻の効力についての証拠を読んだスティーヴとヒラリーは、合成大麻化合物を含むオイル、CBDをウィリアムに処方するのに前向きな診療所を見つけました。
「ウィリアムにはもう選択肢がないということを受け入れられなかったんです。私たちは必死で、何でも挑戦したい気持ちでした。大麻と腫瘍に関する研究を読んだとき、私たちは希望をもらえました。9ヶ月分の薬は2000ポンドかかりましたが、私たちはウィリアムに最高品質のものを与えていることを徹底したかったんです。私たちはCBDを水に希釈してウィリアムに与えました」
両親が追求した2つの選択肢は、低炭水化物(ケトン食)ダイエットとカンナビジオールでした。6ヶ月後、ウィリアムの腫瘍は2/3に縮小しました。ノッツTVが両親を取材しました。その経験からフロスト家は今、子供の脳腫瘍に対するCBDの有効性を調査したいノッティンガムの科学者の研究を支援しています。
CBD:大麻の非精神活性成分
非精神活性化合物カンナビジオールまたはCBDは大麻草に含まれます。昨年、イギリス政府の規制当局は、CBDは人間において“回復”効果を持ち、合法的な薬剤であると述べました。しかし、多くの患者が自らCBDオイルを求めていますが、がんに関する効果はまだ証明されていません。MHRA(英国医薬品庁)は、カンナビジオールは生理的昨日において“回復、修正、または調整”効果を持つと述べています。重要なことに、CBD製品は、精神作用する大麻の化学物質THCを全く含まず、イギリスにおいて合法です。
現在、 CBDが子供の脳腫瘍細胞に対して持つ効果を知るために科学者によって検査されます。この種の臨床試験が行われるのは初めてで、ウィリアムだけでなく多くの家族に役立つでしょう。
ウィリアムは日々回復していて、時々学校にも通っています。腫瘍を持つ子供の家族は、多額の費用とリスクを背負ってますますカンナビジオールを頼っています。CBDが効く、または効果的な投与量などを示す証拠としてのデータはありません。ノッティンガムでの研究は、これらの家族が待ち望む有効性の兆候や科学的証拠を提供したいと考えています。
研究のための資金集め
ウィリアムの父スティーブは、ウィリアムが体験するようなタイプのけいれんは全く予測不可能だと言います。フロスト家は、脳腫瘍に対するCBDががんの縮小に貢献したのか決定する研究のために、資金をすることに決めました。
目標は、ノッティンガム大学脳腫瘍研究センターのリチャード・グランディ教授の元で実施される研究のために、10万ポンドを集めることです。アストロ脳腫瘍基金は45,000ポンド、ジェシカ・ホープ基金は10,000ポンドを寄付しました。
研究プロジェクトを指揮するウィリアムの顧問教授リチャード・グランディはこう話します。
「脳腫瘍はイギリスの子供における最大のがん死因ですが、この病気はイギリスがん研究費の1%以下しかもらえていません。ますます多くの家族がCBDを使用しています。時に膨大な費用になりますし、本当に効果があるのか、またはどれくらいの量を、どれほどの頻度で与えるべきかに関する証拠は現在ありません。従って、CBDが小児脳腫瘍の細胞株に対して有効かどうか調べた客観的な科学的証拠を得ることが非常に重要です」
脳腫瘍は小児がんにおける最大の死因
脳腫瘍はイギリスのがんを患う子供たちにとって最大の死因ですが、がん研究に対する国家的資金は非常に少ない、とグランディは言います。医療科学は、悪性脳腫瘍を持つ患者の命を延命するだけでなく、生活の質を改善するためにも新しい治療法を早急に必要とします。CBDが子供の脳腫瘍に効くのかどうかを究明するためには、科学的証拠が必須です。
CBDの脳腫瘍に対する効果を調べる研究
必要な証拠を得るために研究チームは、実験室で使われる標準環境下で腫瘍細胞を培養します。科学者は細胞死の量を測定し、7日後に各細胞群の腫瘍細胞を分析します。グランディ教授は、脳腫瘍と通常の細胞は標準環境で成長し、臨床試験が始まる時には活発に分裂し、健康的であると予測しています。通常の脳細胞はカンナビジオールの中で成長し、健康状態であることを科学者は信じています。一方で、腫瘍細胞は成長を止め、死ぬことを予測しています。
この研究から得られる証拠は、脳腫瘍とCBDに関するさらなる資金や研究をもたらすでしょう。いつかそれは、正式な臨床試験へとつながり、後には誰もが認める本物の薬となるかもしれません。
