がんについて②〜浸潤と転移〜

がんの顔つきも重要です

一般には、がんの進行度を表すには「ステージ」分類が使われます。
がんの種類ごとに細かい内容は違いますが、概ね、Ⅰ最初に発生した場所(原発巣)に留まる「限局」、Ⅱ近くのリンパ節への転移、Ⅲ近くの臓器への浸潤または少し離れたリンパ節への転移、Ⅳ遠くの臓器への転移、の4段階。治療方針を決める上で最も重要な分類です。と同時に、がんの振る舞いの悪さ(悪性度)を示す「グレード」も重要な指標です。

これは、腫瘍の大きさや、がん細胞やその並び方がどれだけ正常細胞からかけ離れているか(”顔つき”の良し悪し)といった複数の観点から、増殖速度や転移のしやすさ、患者を死にいたらしめる能力などを推し測ってランクづけしたものです。
ここに患者の体力や年齢などを加味し、総合的に予後を予測した上で、治療方針は決定されることになります。

だからこその早期発見、早期治療

●成長すると周囲の組織を破壊する
●離れた臓器へ飛び火することもある
●対処が遅れるほど再発・転移のリスクは高くなる

ところで、細胞の塊があっても、すっとその場(原発部位)に留まって浸潤も転移もみられないものは、「良性腫瘍」と呼ばれます。良性と言っても脳腫瘍など、発生した部位によっては身体の機能に関わったり、生死に直結したりするものもあり、そんな場合にはできるだけ速やかに切除をめざすことになります。

一方、「悪性腫瘍」つまりがんは、放っておけば普通は遅かれ早かれ命に関わるようになってきます。がん細胞は1個が2個、2個が4個と倍々に分裂して増え、1cmの大きさになるまで10年ほどかかるのが普通ですが、そこから命に関わる大きさになるまでには数年です。

厄介者兄弟 浸潤と転移

「命に関わる」とはどういうことか。それを握っているのが、がんの特徴であり、治療をより困難にしている「浸潤」「転移」という二つの性質と、その結果としての「再発」です。

「浸潤は」、普段の生活ではなかなかお目にかからない言葉ですよね。がん細胞が周囲の組織を破壊しながら、まるで浸み込むように広がっていくことです。そうなると、がんを切って取り除いてしまおうにも、境界がはっきりしません。そればかりか、目に見えている範囲を超えて、正常細胞の中にがん細胞が散らばって広がっていることも珍しくないのです。

その場合、きちんを切除できたと思っても、残っているがん細胞が先々大きく成長してきます。(「局所再発」と言います)。
また「転移」とは、体の離れた部分にがんが飛び火して広がることです。ただし火の粉がとんでいっても、そこで着火しなければ「転移」とはなりません。飛んだ先で新しく腫瘍を形成して初めて「転移」と認識できます。

ちなみに、がんが発見された時点では、目に見えない微小転移も含めると、7割のがん患者に転移があるとされています。ただし初期の段階では免疫が打ち克ったり自然に死んでしまったりで、大きくならずに済むことが多いのです。

というわけで、がんは浸潤によって組織の間に浸み込んだり、また血管やリンパ管を経由して知らない間に体のあちこちに転移して、体を急速に蝕んでいきます。早期発見とは言えない進行したがんだと、手術でがん細胞を取り除いたように見えても、微小ながんが局所に残っていたり転移してたりする可能性は高まります。そして、後々はっきりしてくる「再発」が怖い。ということです。

いずれにしても、がんは放っておけばおいただけ成長して、せっかく切除できても再発のリスクも高まり、治療が難しくなっていきます。早期発見、早期治療に勝るものはないのです。

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出典:がんがわかる本