研究結果:CBDがレノックス・ガストー症候群の発作頻度を半減させる

大麻の化学的構成要素であるカンナビジオール(CBD)を毎日摂取することによって、発作の発生率が大幅に下がる可能性があることが新たな研究で分かり、重症型のてんかんを患う患者にとって朗報となりました。

オハイオ大学の研究者らは、14週間にわたって毎日カンナビジオールを摂取したレノックス・ガストー症候群(LGS)の患者において、無緊張発作の発生頻度が50%以上減ったことを発見しました。無緊張発作は突然の短時間的な筋緊張の損失を伴う発作で、くず折れ発作とも言われています。

オハイオ大学医学部の研究共同著者アヌプ・パテル博士らは、先日マサチューセッツ州ボストンで開かれた米国神経学会による第69回学会で研究結果を発表しました。

レノックス・ガストー症候群とは?

LGSは最も重症な型のてんかんの一つです。症状として、強直発作、無緊張発作、非定型欠神発作、ミオクロニー発作など複数の発作タイプが起こります。米国国立衛生研究所(NIH)によると、LGSの発症は通常3歳から5歳の間に起こり、全米で5万人〜10万人に1人が罹患する難病です。

LGSに対する治療薬はなく、また万能なアプローチもないので症状の治療も極めて困難です。バルプロ酸やラモトリギンといった抗てんかん薬は発作抑制に役立ちますが、最初はこれらの薬が効いた子供でも後に耐性がついてしまうことが多いのです。

しかし、パテル博士らによる新たな研究では、カンナビジオールがLGS患者の発作頻度を半数以下に抑制したことが分かり、LGSにとって有望な戦略となる可能性を示しました。カンナビジオールは大麻草に含まれる80以上のカンナビノイド(活性化学物質)の一つです。カンナビジオールは薬理作用が科学の力で立証されてりうため、新たなオプションとなる可能性が示唆されています。

CBDの効果が明らかになった研究

パテル博士の研究チームは、LGS患者におけるカンナビジオールの関係を評価する二重盲検プラセボ対照試験の実施によって、てんかんとの関連性をさらに探求しました。この研究には、1ヶ月に約85回の無緊張発作を起こす、年齢平均16歳となる225人のLGS患者が参加しました。

全て患者は、平均的な6種の抗てんかん薬に反応しませんでした。14週間の間は約3種類の抗てんかん薬を使用しました。研究期間中を通して、患者は従来の薬に加え、毎日カンナビジオールまたはプラセボを10mgまたは20mg摂取することが求められました。

毎日のカンナビジオールによって無緊張発作が半減

カンナビジオールを毎日10mg摂取した患者は、無緊張発作全体において37%の減少がみられ、36%の患者において無緊張発作が50%以上減少しました。高用量のカンナビジオールの方がさらに強力でした。毎日20mgのカンナビジオールを摂取した患者は、全体的な無緊張発作が42%減少したほか、40%の患者において最低50%無緊張発作が減少しました。

プラセボを摂取した患者では、無緊張発作の全体的な減少が17%にとどまり、患者の15%において無緊張発作が少なくとも半数になりました。プラセボを摂取した患者と比較して、カンナビジオールを摂取した患者の方が、全体的な病状において改善が報告される傾向は最大2.6倍だった、と研究著者は述べています。

20mgのカンナビジオールを摂取した患者の約94% 、10mgを摂取した患者の84%が副作用を感じたことが報告されました。しかし、副作用の大半は軽度から中等度で、最も多かったのは食欲の減退および眠気だったと研究者らは述べています。

概して、パテル博士ら研究チームは、この研究結果はカンナビジオールがLGS患者にとって有益である可能性を示すものだと考えています。

「この研究結果は、カンナビジオールがレノックス・ガストー症候群患者のくず折れ発作に有効である可能性を示しています。このタイプのてんかんは極めて治療が困難であるため、この研究結果は重要です。カンナビジオールを摂取した人の方が多く副作用が見られましたが、ほとんどが耐容性良好でした。カンナビジオールがLGS患者にとって重要な新オプションとなれる可能性を信じています」—アヌプ・パテル博士

研究者らは今年後半に食品医薬品局(FDA)に対して、LGSの治療法としてカンナビジオールを提案する新薬申請を提出する予定です。

患者を苦しませるレノックス・ガストー症候群に関しては、これまでCBDを用いた臨床試験が行われており、それぞれ良好な研究結果が出ています。一刻も早くCBDがLGSの治療薬として承認される日がくるといいですね。

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