先日、スコットランドの研究で、大麻のヘビースモーカーとみなされる人はタバコのみを喫煙する人と比較して骨折する傾向が2倍となることが示されました。
それはハイになった人が転んで骨を折るからでしょうか、それとも大麻が骨密度を薄くしてしまうからでしょうか?CBSニュースは、ニューヨーク市にある関節保護・再建専門レノックスヒル病院センターによる「重度の大麻利用は骨の健康を促進しない」と結論づけられた研究についてレポートしています。
しかし昨年は、カンナビジオールは骨に良いと科学界で言われていました!
ジャーナル・オブ・ボーン・アンド・ミネラル・リサーチ誌に発表されたテルアビブ大学とヘブライ大学による研究では、非精神活性カンナビノイドであるカンナビジオール(CBD)の投与が骨折の治癒に大きく役立ったことが示されました。研究は大腿骨の真ん中を骨折したラットに対して実施され、CBDがたった8週間で大腿骨の治癒プロセスを著しく促進したことが分かりました。
ヘブライ大学解剖学および人類学部の骨研究研究のヤンケル・ガベット博士と、先日亡くなったイタイ・バブ教授が率いた同じチームが、それよりも前の研究で体内のカンナビノイド受容体が骨形成を促進し、骨損失を抑制することを発見しています。これらの研究は、骨粗しょう症やその他骨疾患の予防にカンナビノイド製品が使用できる可能性を切り開きました。
臨床的可能性は否定できない
特定の適切な治療法を開発するにはさらなる研究が必要だが、臨床的可能性は否定できない、とガベット博士は話しています。博士は当時、CBDは主に抗炎症剤だと宣言しました。
スコットランドの研究に戻ると、なぜ研究では、大麻のヘビースモーカーとタバコのヘビースモーカー、非喫煙者を比較したのでしょうか?
タバコの煙には造骨細胞の活性に作用することによって骨を弱くする毒素があることが、研究で証明されています。この研究はゲリー・グイシャン・シャオによって行われ、米国化学会誌のジャーナル・オブ・プロテオン・リサーチ誌に発表されました。研究は、タバコの煙は、骨を分解する身体の自然なプロセスを誘発する2種類のタンパク質を過剰に生み出させると結論づけました。
これはまるでスコットランドの研究が「タバコが悪いと思っているでしょうが、骨に対する大麻の影響をみてください」と言っているかのようです。
因果関係の証拠はなし
スコットランドの科学者らは、研究の設計上、大麻喫煙と骨密度の因果関係を証明することはできなかったと認めています。別のデータセットにおける独立した反復が非常に重要です。またミッチ・アーリーワイン教授が述べた通り、「生涯を通じた非常に重度の大麻使用」と呼ばれるようなサンプルは、実際に骨密度の低さの一因となりうる運動や食事問題などその他要因を隠してしまう可能性があります。
ニューヨーク市マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のモーン・ザイディ博士は、研究では重度の大麻使用者が骨粗しょう症または骨折のリスクにあるか調べるために骨密度検査を受けさせることができただろう、と話しています。ヘンプに含まれるCBDの医療価値に集まる関心を曇らせ、大麻喫煙にネガティブなスポットライトを当てるような曖昧な研究でした。結局のところ、医療使用と娯楽使用には大きな違いがあるのです。
