CBD(カンナビジオール)は近年、あらゆる症状を治療すると謳われていますが、最新の研究でCBDは実際に落ち着きをもたらすことができると学者らが発表しました。
「怒っているネズミ」はCBDを投与されると攻撃的な行動が減ったということで、研究を発表した科学者らは人間も同様にCBDの効果を感じられると考えています。
CBDは「攻撃的な行動を抑える」という研究結果
CBD(カンナビジオール)は近年、あらゆる症状を治療すると謳われていますが、最新の研究でCBDは実際に落ち着きをもたらすことができると学者らが発表しました。
最新研究によると、「怒っているネズミ」はCBDを投与されると攻撃的な行動が減ったということで、研究を発表した科学者らは人間も同様にCBDの効果を感じられると考えています。
「ニューロ-サイコファーマコロジー・アンド・バイオロジカル・サイキアトリー」誌に発表された研究では、10日間の間、隔絶させたオスのマウスが複数使用されました。
その後ブラジルの研究者は、隔絶させマウスに新しい友人マウスを導入する「レジデント・イントルーダーテスト」を行いました。
通常、隔絶させられたマウスは新入りを攻撃する体勢になります。CBDを投与されたマウスは投与量に関係なく、攻撃が減り、また全体的な凶暴性も抑えられました。
CBDは攻撃性を低下させる
この研究は攻撃性の低下とCBDの関係性を実証するものだと、研究著者らは話しています。
研究の第一著者であるフランシスコ・シルベイラ・ギマラエスは次のように述べました。
「我々の研究は、CBDが攻撃性を抑制することができ、また5-HT1A受容体とCB1受容体という2つの受容体の活性化を促進することによってその効果を引き起こしていることを示しています
5-HT1A受容体は神経伝達物質セロトニンの効果に関わる受容体、CB1受容体はエンドカンナビノイドの効果に関わる受容体です」
これまでの研究で、CBDは抗発作作用、血圧抑制、精神病患者における治療効果を含む、多岐にわたる分野でパワフルな治療効果を持つことが示されてきました。
さらにCBDは、大麻に含まれるTHCによって引き起こされる精神障害を抑える作用を示唆する研究もあります。
今回の研究は、CBDと攻撃性の関係を掘り下げる最初の研究の一つです。
「CBDは過去20年にわたってさまざまな分野で研究されてきましたが、攻撃的行動に対する効果について調べた研究はごくわずかです」
多ければいいとは限らない?CBDの量によって攻撃抑制力に変化
ギマラエスら研究者チームは、マウスを5つの異なるグループに分けました。
そのうち4つは体重1kgあたり5~60mgまでさまざまな投与量のCBDを与えられ、残りの1グループにはCBDは与えられませんでした。
侵入者が入ってきたときにこのグループが見せた行動は典型的な攻撃的行動でした。
すなわち、侵入してきてから2分以内に攻撃を始め、20〜25回ほど攻撃するまでやめませんでした。
しかし、最も低用量(体重1kgあたり5mg)のCBDを与えられたマウスは、侵入者に直面した際、最初の攻撃を加えるまでに2倍の時間がかかりました。
またこれらのマウスが侵入者を噛む回数は通常の半数でした。体重1kgあたり15mgのCBDを与えられたマウスは11分が経過してから最初の攻撃を与えました。
その後の攻撃もわずか数回でした。
残りの2グループはそれぞれ体重1kgあたり30mg、60mgのCBDを与えられました。
これらのマウスは前者の2グループと比べて早く最初の攻撃を与える傾向にありました。
これはCBD量が多すぎると攻撃的行動が増す可能性を示唆しているのではないか、と研究者は考えています。
「高用量におけるCBDの効果の低下は他の研究結果から予測されていました。
例えば、抗うつ剤としての可能性を調べる研究では、高用量の場合、最初に得られた効果が低下することが示されました。
我々の研究で、もし体重1kgあたり120mgのCBDをマウスに与えたら、攻撃性はまったく抑制されなかったでしょう」
この研究の主張を裏付けるにはさらなる研究、特に人間を対象にした臨床試験が必要ですが、一方で、「CBDは気持ちを落ち着かせてくれる」というこれまで言われてきたことを裏付ける研究ではあります。
CBDオイルを利用する人の間では、ストレスの緩和やリラックスのために使用している人が多いですが、マウスでの研究結果とは言え、これは理にかなっている使い方だと言えそうです。