薬を摂る際、グレープフルーツジュースを飲まないようにしていますか?もしかするとCBDもそうすべきかもしれません。
多くの処方箋医薬品は、必ずと言っていいほど、薬と一緒にグレープフルーツジュースを飲むことは避けるよう、注意書きがついています。しかし一体グレープフルーツジュースのように無害なものが、どうして医薬品に影響するのでしょうか?
でももしグレープフルーツジュースが影響するのだとすれば、他にも、一見害のなさそうな物質だって、医薬品の吸収に影響を与えても不思議じゃありませんよね。カンナビジオール、或いはCBDは、今日ではドライカンナビスフラワーから炭酸水に至るまでさまざまなあらゆる商品が出ていますが、これこそまさに服薬時には避けたい物質なのです。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校によれば、100以上もの異なる「カンナビノイド」(大麻特有の天然由来の化学的化合物)が識別されているそうです。そのうちの一つの化合物がCBDであり、産業用大麻に含まれているだけでなく、昨今ではさまざまな食べ物や健康食品に、添加物として加えられています。研究は現在進行中ですが、CBDはてんかん発作の頻度を減らすことも示されており、また不安障害、不眠症、慢性的な痛みの治療にも使用されています。
しかし残念なことに、CBDの摂取は、その他の医薬品を摂取している人にとっては問題を引き起こす可能性があります。問題は、大麻に含まれる化合物そのものではなく、そういった化合物、中でもCBDがほかの医薬品と相互作用する際の作用の仕方が問題なのです。
ロバート・フラナリー博士が、この点について詳しく語ってくれました。
CBDと代謝酵素CYPsの関係
ドクター・ロブ・ファームの設立者であり、大麻植物の生産に焦点を当てた植物生物学博士号を持つフラナリー博士は次のように述べています。「CBDは、シトクロムP450(CYPs)と呼ばれる酵素群に対する競合阻害剤なのです。この酵素グループは肝臓で働き、私達が摂取した薬の多くを酸化、分解します」
CYPsは、薬の代謝に関わる主要な酵素であり、医薬品の相互作用や禁忌を防ぐ場合には、考慮が必要なのです。CBDに限らず、CYPsに影響を与える化合物や物質は、処方箋医薬品以外にも存在します。例えばセイヨウオトギリソウや、クレソン、ヒドラスチス(ゴールデンシール)などがその代表です。
フラナリー博士によれば、CBDはCYPsによって代謝される医薬品の吸収率に直接影響を与えることはありませんが、CBDがCYPsと結合すると、他の薬剤がCYPsに結合できなくなり、服用した医薬品をCYPが代謝する速度が低下してしまいます。処方薬の投与量は、それぞれの平均代謝破壊率に基づいて計算されるため、これは大きな問題です。
「その代謝プロセスの速度が落ちるということは適切な投与量が変わってきてしまいます。CBDを経口投与すると、CYPsが特定の薬物を代謝するのを妨げます。その結果、薬が意図されていたよりも長い期間、アクティブな状態で体内に残ることになってしまうのです」
更なる研究が待望されるという現状
この点に関する研究はもっと以前まで遡ります。カリフォルニア大学サンフランシスコ校にて、レスター・ボーンハイム博士という人物が1980年代にCYPsに対するCBDの影響の研究を始めました。他の論文では、テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビノール(CBN)がCYPsにどのように影響するかも研究されていますが、フラナリー博士によれば、後者がもたらす影響は、CBDのものほど大きなものではないそうです。
薬の吸収に影響を与える無害な化合物や物質は他にもあります。さぁここで、グレープフルーツジュースを思い出してください。
「薬を処方された事がある方なら、薬局で薬剤師がグレープフルーツやグレープフルーツジュースと一緒に飲まないよう注意されたことはきっとありますよね。このようなケースでは、同様の状況が発生します」
グレープフルーツには、CYPsの代謝率に影響を与える化合物(ベルガモチンと6 ‘、7’-ジヒドロキシベルガモチン)が含まれているのです。
「大麻を摂取している場合は、現在服用している医薬品や、将来処方される医薬品をきちんと確認してください。もしそれらの薬が、グレープフルーツジュースとの薬物相互作用がある場合、カンナビスの摂取についても、医師または薬剤師に知らせる必要があります」そうフラナリー博士は語ります。これは、大麻を医学的または娯楽的な目的で使用する場合も同様です。
グレープフルーツジュースの影響を受ける薬には、血液希釈剤、コレステロール薬、血圧薬、精神安定剤などがあります。また、インディアナ大学医学部によると、シトクロム450経路を通過することが知られている薬物には、抗うつ薬、抗精神病薬、β遮断薬、HIV抗ウイルス薬、およびステロイドが含まれます。これらの薬のすべてが必ずしも問題になるわけではありませんが、影響を受ける可能性があります。そのため、それぞれの状況について医療専門家と話すことが重要です。
「残念ながら、どれだけの大麻の投与がCYPsを阻害するのか、またCBDの消費量または摂取方法が、どのように医薬品の代謝破壊に影響するのかについては、更なる研究が待たれている状況です」
出典:Leafly