バイオ製薬会社であるGWファーマシューティカルズ社が、CBDてんかん薬を開発しました。エピディオレックスと名付けられたその薬は、ドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群(LGS)といった稀な薬物抵抗性型のてんかんに対処します。エピディオレックスは、命をおびやかす発作を軽減します。研究者は、非常に幼い年齢の子供が使用しても安全で耐容性良好である、と話しています。
エピディオレックスがヨーロッパにおいてLGSに対する希少薬と位置付けられたことを、ファーマ・タイムズが取り上げています。
ハーバード大学医学大学院の神経学教授で、マサチューセッツ総合病院小児てんかん課長のエリザベス・ティエレ医学士は、LGSに関するエピディオレックス臨床試験の治験総括医でした。エピディオレックスを患者に処方できるようになる日が楽しみだ、とティエレはコメントしました。
希少薬位置付けの奨励金
希少薬の位置付けは、患者が200,000人以下である稀な疾患の、安全で効果的な予防薬または治療薬を開発する製薬会社に対する奨励金として与えられます。奨励金には減税や、最大7年間、疾患に対する治療薬を開発する独占権が含まれることがあります。
一般的な疾患向けの薬は、このような奨励金を必要としません。結局のところ、これが標準的な治療薬となれば、市場は大きなものとなります。しかし、稀な疾患に対する薬の開発は利益が少ないので、奨励金が与えられるのです。
エピディオレックスがヨーロッパで希少薬となる
ヨーロッパの規制機関は、2つの後期臨床試験のデータを調査した結果、エピディオレックスに希少薬の位置付けを与えました。これらのデータは、医師がエピディオレックスを現行の治療計画に加えたところ、大幅に発作が軽減したことを明らかにしました。
14週間にわたって実施された臨床試験の一つでは、プラセボを与えられたグループの発作軽減が22%だったのに対し、エピディオレックスは44%発作を軽減したことを示しました。
CBDてんかん薬登録の準備はできている
GWファーマシューティカルズ社CEOのジャスティン・ゴーバーは、2017年半ばまでにアメリカでLGSのためにエピディオレックスを売り出すための申請で忙しい、と認めました。GW社は、そのすぐ後に欧州医薬品庁に申請書を提出します。GW社は2つの第3段階治験の結果に非常に満足している、とゴーバーは述べました。CBDてんかん薬は、2つの最も治療が困難な型のてんかんを患う人々に希望をもたらします。GW社はこの重要な新薬の発売を楽しみにしている、とゴーバー。GW社は、できるだけ早く薬を必要とする人に届けたいと願っています。
エピディオレックスの処方を心待ちにする医師たち
ニューヨーク大学ランゴン医療センターにある総合てんかんセンターの医学士オリン・デヴィンスキーは、医学界は標準化・検査されたカンナビジオール調合薬を処方するのを待ちきれない、と述べました。
しかし、CBDのみの利用は2等に値するのでは、と懸念する人もいます。これらの人々はアントラージュ効果を信じています。これは、大麻の全成分が相乗的に作用することを表す理論です。
とは言え、エピディオレックスは大麻科学における重大な前進を意味します。薬剤となれば、今よりもずっと入手しやすくなるでしょう。また医師も自信を持ってCBDを処方できるようになります。
