ミハウ・タカチュが事業を始めるきっかけとなったのは、人生を変えるような瞬間でした。10年前、タカチュは工業用印刷機につぶされて3本の指を失い、極度な痛みと傷跡が残りました。
大怪我の症状を緩和したCBD
医師は数え切れないほどの薬や薬用クリームを処方しましたが、あまり助けになりませんでした。最終的に、タカチュは自分で解決策を見つけました。タカチュはその時に、天然かつ合法で、精神作用しない大麻抽出物であるカンナビジオール(CBD)の素晴らしい治癒力について発見したのです。CBDは、カンナビノイドとして知られる、ヘンプ草内に100以上含まれる化合物の一つです。
タカチュがCBDで作られたヘンプ軟膏を傷に塗ると、すぐに有益な効果が表れました。瘡蓋が治り始め、炎症は治まり、また痛みは軽減されたのです。タカチュはその効果にあまりにも感激したので、地元であるチェコの供給元、カランに連絡を取りました。そしてカラン製品をイギリスとアイルランドで販売する独占権を手に入れました。
カランUKの製品はカンナビジオールに基づいて作られています。カンナビジオールは、幅広い治癒効果があるとされている大麻草に元々含まれる化合物です。
タカチュは現在、CBDオイルやCBDを含む多くのスキンクリーム、軟膏など18種類の製品を、オンライン、独立した薬局、ならびに健康食品店に流通させています。製品の大半は、ニキビ、酒さ、乾癬、湿疹、筋肉痛、静脈性潰瘍、ならびに擦り傷、やけど、傷跡、虫刺されといった症状を対象にしていますが、CBDがもたらす健康的効果の幅が潜在的にもっと大きいです。
CBDが持つ健康的効果
並外れた適用用途を裏付ける科学的証拠は、すでにたくさんあり、また増え続けています。鎮痛特性のほか、CBDは脳に対して強力な保護作用を持つことが知られています。
CBDは効果的な抗精神病作用、筋弛緩作用、抗酸化作用を持つことが分かっており、十分な摂取量では鎮静効果もあります。またCBDは、重症型のてんかんの症状や、パーキンソン病、アルツハイマー病などの神経変性病の治療にも使用されています。
タカチュは、人々の意識においてカンナビノイドが違法な娯楽大麻と結びつけられているために、未だにカンナビノイドにまつわる汚名があると言います。しかし、CBDに対する認知は急速に高まりつつあります。タカチュは熱心なカンナビノイド伝道者で、事故後の天啓な体験を他の人にも知ってもらいたいと考えています。
「自閉症の子供を持つ友人がいるのですが、彼らもCBDオイルを摂り始めました。3週間後、子供がアイコンタクトを取れるようになったのは素晴らしいことです。それまではできなかったのですから」
自閉症などの深刻な疾患におけるCBDの効果についてはさらなる研究が必要とされますが、CBDに起因するずば抜けた有用性の幅は明白です。これは部分的に、CBDが数千年間、人類の文化の一部であったという事実がもたらすものだ、とタカチュは説明します。
「カンナビノイドは先史時代の骨にも見つかっています。ヘンプは長い間人類の食物連鎖の中にあったのです」
科学者は、人体にはさまざまな機能のために少量の化学物質を作り出すエンドカンナビノイドシステムが存在することを発見しました。CBDは、外来の化学物質として身体を攻撃するのではなく、人体の自然なプロセスを補強します。このシステムの働きに関してはさらなる科学的研究が必要ですが、これこそがCBDの素晴らしい特性を説明してくれる、とタカチュは信じています。
有望な研究にもかかわらず、薬として市場で必要とされるような、CBDに関する大規模な臨床実験は行われてきませんでした。その理由はシンプルだ、とタカチュ。CBDが天然由来の物質だからです。すなわち大手製薬会社はその物質の特許を受けることができないということを意味するので、数百万かかるような臨床試験を行う価値はない、ということです。
UKにおけるCBDにまつわる規制
UK規制機関は最近、UKにおけるCBDベース製品を使用している数千人の人々に対して、さらに障害を取り除きました。昨年10月、カンナビジオール(CBD)を含む医薬品・医療製品規制庁(MHRA)製品を、薬として医療目的で使用しました。
表面的にこれは勝利のように聞こえました。当局が初めて、CBDに効き目があると認識したのですから。しかし逆説的ですが、この新しい分類は、タカチュがカラン製品の有効性を主張できないことを意味し、製品許可証を得るには数十万ドルかかるのです。これにより、これまでCBDの素晴らしい効果を体験してきた人々が、今後入手できなくなる、または入手することで犯罪を犯すことになる恐れが出てきます。
しかしタカチュは気落ちしていません。タカチュはカラン製品に関して特定の主張をすることはできませんが、好意的な公共認識が高まりつつあり、ますます多くの人が毎月タカチュの元に来ることに気づきました。
「私たちの製品は効果がありますが、大衆にそれを認めさせるのは、私たちのブランドを有名にするかの問題です。これは時間をかけて築かれるものです。私たちは気落ちしたりしません。人々に知識を与え、また弊社のような良い製品と数百もの粗悪製品との違いを理解するを助けるために、社会の認識が必要です」
カラン製品は元々(人をハイにさせる)THC濃度が低い、特に高品質のヘンプから作られている、とタカチュは言います。カラン社はまた、使用するヘンプから潜在的な発がん物質を取り除く技術も見つけました。
MHRAは、主な目的はCBD産業を終わらせることではなく、安全で一貫性のある高品質の製品を保証することで消費者を守ることだと言います。
12月の声明では次のように述べられていました。「MHRAは今後、医薬品として分類することができる、医療目的で使用されているCBDを含む製品に関連して、 医薬品規約2012の法的条件を満たすために独立企業および貿易組織と協力します」
カラン社はMHRAと親密に協力し、UKのプラネット・オーガニックを含む独立薬局や健康食品店にうまく製品を分配しています。タカチュは最近、アイルランドでも流通契約を結び、さらなる拡大を計画しています。
意図せぬ結果をもたらした強固な法律を通じて、政府は少なくとも1点においてタカチュの事業に役立ちました。NHS処方箋に関する財源削減は、薬局は収入を支えるために非処方製品の販売にさらに依存することを意味します。これはカラン社などの製品に有利です。タカチュにとって最も激励となったのは、規制機関の尽力にもかかわらず、ますます多くの人々がCBDの有効性に関する主張によって関心を持ち始めていることです。
「深刻な問題を持ち、体が依存するようになったり、ひどい副作用があったりするステロイド・クリームを使用してきた人が、我が社の製品を使用氏はじめ、数週間のうちに明らかな効果を感じています。これらの人々はリピーターとなります。それが、私が最も誇りに思うことです」
