こんにちは!
今月はじめのニュースですが、アメリカの食品医薬品局(FDA)が複数のCBDオイル企業に警告状を送ったという記事を紹介します。FDAは2015年から毎年のようにこういった警告状を発行していますが、実際どんな行為が違反に当たるのか気になったので、調べてみました。
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シャーロッツ・ウェブで有名なコロラド州のCBDオイル企業とその他3つの企業が、立証されていない違法な健康強調表示をしているとしてFDA(食品医薬品局)から警告を受けました。
FDAは水曜日、4社に対して警告状を発行しました。CWヘンプとしてコロラド州コロラドスプリングスで事業を展開するスタンレー・ブラザーズ・ソーシャル・エンタープライズ社、コロラド州プエブロのザッツ・ナチュラル・マーケティングス&コンサルティング社、フロリダ州ペンブローク・パインズのグリーンロード・ヘルス社、カリフォルニア州エルドラド・ヒルズのナチュラル・アルケミスト社です。
FDAは声明の中で、がんなどの疾患を治す、または治療すると主張する製品の「蔓延」に関する懸念を強めていると述べました。FDA局長スコット・ゴットリブ博士は声明の中で次のように述べました。
「大麻成分を含む物質は、がんの腫瘍を縮小させるという証明されていない主張をする他の製品と同様に扱われます。我々は、自社の物質ががんを治すまたは縮小させる、といった根拠のない主張で意図的に病人を餌食にする製品を販売させません。また、大麻を含むCBDオイル製品についてはこれらの原則の施行に関して見て見ぬ振りはしません」
FDAの警告状を受けた4社は水曜日、ザ・カンナビストのコメント要請に応答しませんでした。
問題とされたCBDオイル製品はFDAによる調査または認可の対象になっていない、とFDA役員は述べています。FDAは警告状の中で、CBDを含む調合薬候補サティベックスやエピディオレックスが新薬治験開始申請を提出していることを引用しながら、CBDオイル製品が栄養補助食品に分類できるという主張を退けました。
10月のはじめ、ゴットリブはCBDオイル企業に対するさらなる措置を考えていることを示唆しました。10月3日、連邦議会前の公聴会でゴットリブは、FDAは大麻草に関する規則ならびに「大麻はがんにおいて抗腫瘍効果がある」といる企業による主張に関して調査すると述べました。
FDAは2015年、2016年にもCBDオイル製品企業に対して同様の警告状を発行しています。
各警告状には、FDAが違法とみなす違法な主張の例が多く引用されていました。その主張は以下の通りです。
CWヘンプ
・ホームページが、がん、うつ病、外傷性脳損傷、自閉症、糖尿病、アルツハイマー病といった疾患や症状に対する治療効果に関する顧客の声を掲載している
・小児がん患者に対するCBD投与量ガイドを提供するレアルム・オブ・ケア(NPO団体)のウェブサイトへ訪問者を直接誘導している
・慢性外傷性脳症(CTE)を患うアスリートに対するCBDオイルの効果をフェイスブックやツイッターの投稿で激賞している
・「シャーロッツ・ウェブを購入するために処方箋は要らない」と顧客の質問にSNSで答えている
ザッツ・ナチュラル
・ホームページが、CBDオイル製品ががん細胞を殺した、血糖値を安定させた、などの顧客の声を掲載している
・がん、自閉症、心疾患治療に対するカンナビノイドの効果を謳うSNS投稿をしている
・ホームページのCBDオイルを定義するページで「CBDは他の細胞を殺さずにがん細胞を自殺させる」と述べている
グリーンローズ
・ホームページの製品説明に、1つ以上の疾患の治療を意図していると主張しており、またラベルに目的とする用途の方針を記載していない
・州境を越えてCBDオイルを含む食品の販売ができるとしているが、FDAはそれを違法と考えている
・ホームページに「CBDオイルをアルツハイマー病投薬計画に加えることで、病気の進行を遅らせられる可能性がある」といった文面や主張が含まれる
ナチュラル・アルケミスト
・ホームページで「CBDが豊富な大麻草はリウマチ性関節炎、大腸炎、肝炎、心疾患、糖尿病といった疾患の治療に使用できる」と主張している
・「CBDオイルが関節炎に効いたのは嬉しい驚きだった。息子と共有したところ、息子もCBDオイルを試した軍人と知り合い、外傷性脳損傷に対するCBDオイルの効果を強く信じるようになった」と述べた顧客の声をホームページに掲載している
FDA広報担当者のマイケル・フェルバーバウムはザ・カンナビストの問いかけに対し、「FDAはこれらの企業に顕著な違反の是正を求めた」と答えました。これらの違反の迅速な修正を怠った場合、製品の押収または裁判所による差し止め命令といった法的措置を取る可能性があります。
「製品が連邦食品医薬品化粧品法に違反する場合、FDAは警告状を発行すべきかの決断において多くの要因を考慮します。その要因には、特に当局の資料や公衆衛生に対する脅威などが含まれます」
水曜日のFDAの発表を受けて、大麻事業法を専門とするデンバーを拠点に置くホーバン弁護団事務所の業務執行役員のボブ・ホーバン弁護士は「電話が鳴りっぱなしだった」と言います。事務所は麻薬取締局に対するカンナビノイド中心の訴訟においてヘンプ産業の代表を務めています。
「警告は大げさであるべきだとは思いませんが、業界自体が検討すべきだということを要求していると思います」とホーバンは述べました。
CBDが豊富な抽出エキスや大麻、特にヘンプから作られたCBDオイル製品の製造業者は、自社の販売する製品が食品または栄養補助食品製品に関する要件に合致していることを保証するために自己管理するべきだ、とホーバンは言います。
ホーバンは、ヘンプから派生したカンナビノイドが豊富な製品は栄養補助食品とは言えない、というFDAの姿勢には不同意であるとしながらも、これらCBDオイル製品が販売されたとするやり方についてはFDAに同意すると認めました。
「結局のところ、これらの主張をしてはいけないのです」
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記事を読むと、これは日本でいう薬機法(旧薬事法)違反に近いものがありますね。日本では以下の行為が薬機法違反に当たり、罰則または罰金が課せられます。
・無許可薬物の販売
・無許可化粧品の販売
・不正表示の医薬部外品販売
・危険ドラッグの販売・広告
・医薬品的な効能効果の解釈
違反行為はこの他にも細かく設定されています。
CBDオイル製品がまだ医薬品として承認されていないために、これらの製造企業が効果を主張できない、というのがアメリカにおける現状のようです。とは言え、「〇〇の症状に効いた」という実際の顧客の声は否定できないのではないか、と個人的には思います。これもいずれ医薬品としてFDAに承認される日が来れば変わっていくでしょう。
参考:TheCannabist