大物実業家がCBDオイルのためのヘンプ栽培関連の「実行不可能」なオーストラリアの法律に苦戦した結果、業務をアメリカに移転するというニュースを紹介します。CBDオイルという形態の医療大麻を熱心に支援しているバリー・ランバートは、ヘンプ栽培に関する途方もなく厳しい法律が原因で、業務をアメリカに移す計画があることを発表しました。
ランバートの企業は、THCが豊富な精神活性的な大麻株を栽培しているのではありません。ハンター・バレーにある340エーカーの農場では研究目的で大麻を栽培しており、ランバートはさらなる研究のために3400万ドルを寄付しています。国の法律にうんざりしたランバートは、絶え間ない法的介入を受けることなく事業を進展させることができるだろうという考えからアメリカに業務を移行します。
ヘンプまたはCBDオイルの娯楽使用?
オーストラリアでは大麻の販売・流通はどこの州でも違法ですが、州によっては少量の所持、使用、栽培が非犯罪化されています。栽培に関しては、医療的および科学的目的は合法であるとされています。またオーストラリア首都特別地域とサウス・オーストラリア州では、1〜2株の植物を個人的使用のために栽培することができます。 ノーザン・テリトリー州でも、2株までの個人的な栽培が非犯罪化されています。
オーストラリアでは2016年に医療大麻が合法化され、ヘンプの非精神活性成分であるCBDの研究や栽培がもっと簡単になるはずでした。しかし、実際にはそれがさらに難しくなりました。医療目的で栽培される大麻の娯楽使用を防ぐために、法律に必要以上の規制を設けられた、とランバートは言います。
しかし結局のところ、丈夫な布地を作るために有益な繊維を生産することのほか、CBDオイル抽出物は現在、薬効があると広く認識されている一方でヘンプの娯楽使用はありません。理由は簡単です。高濃度CBDヘンプで精神を活性化しようとする人はいるかもしれませんが、その効果を感じるには十分なTHCが含まれていないからです。
ランバートの会社エコファイバーは栽培免許を申請することもできましたが、世界中で栽培されているこの農作物を栽培するために要求される事項を考慮して、代わりにアメリカに移転することを決めました。
苛立つランバート
ビジネス・インサイダー・オーストラリア誌とのインタビューで、ランバートの苛立ちは明らかでした。彼は、オーストラリアの法律のせいでオーストラリア人の懸念事項を別の国に移転させなければいけないという事実を嘆きました。一方で、CBDオイルを利用したい病人は、入手があまりに困難になったために、闇市場を使っていると言います。
ランバートには、CBDオイルがどれほど効果的なのかを知った個人的な体験があります。孫娘の難治性発作を治療するために、CBDオイルを投与しているのです。この治療は驚異的な効果を示しました。オーストラリア人に対するアクセスの欠如がランバートの苛立ちの原因であるのは明らかです。
なぜオーストラリアでの認可はこれほど困難なのか?
栽培者は、どの製造会社のためにヘンプを栽培しているのか、またどの患者がその治療法を受けるのか表明しなければなりません。しかし、CBDオイルの使用許可を得るのは極めて困難なので、この条件を満たすのは不可能です。
それに加え、以前は農場で栽培されていた産業ヘンプは、厳重な警備がついた、費用のかかる屋内施設で栽培しなければいけなくなりました。ランバートが医療目的ではなくヘンプを栽培するのであれば、これまで通り栽培を続けられたでしょう。しかしただ薬として使用するという理由で、これらの付加的規制が適用されているのです。
エコファイバー社はすでにアメリカで活動しており、オーストラリアに残っている業務も間も無くアメリカに移行されます。
政府の広報担当「問題は麻薬の貯蓄だ」
ここまで来ると、私たちは本当にランバートの苛立ちに同情せざるを得ません。CBDオイルは麻薬ではありません。CBDオイルに中毒や乱用の可能性は全くありませんし、麻薬的な効果が得られないので娯楽用薬物として受け入れられることも決してないでしょう。
オーストラリア政府は法律を可決させる前に全体的な研究をするべきであることを考えると、政府は未だにCBDとTHCの違いを理解していないように見えます。
