インディアナポリス(WTHR局)。インディアナポリスの食料品店で行われた強制捜査により、州中に衝撃が広がっています。痛み、不安、その他病状に苦しむインディアナ州民は、なぜインディアナ州がどこでも合法であるとみなされている健康補助食品に関して厳しく取り締まろうとしているのか理解しようとしています。
インディアナ州物品税警察は6月14日、インディアナポリスとグリーンウッドの境近くにあるフレッシュ・タイム・ファーマーズマーケットで強制捜査を実施し、数千ドル相当のCBDオイルを含む製品を押収しました。
この件は、警察、インディアナ州農業およびビジネス界、消耗させるような痛みに対処しようとする家族の間に、法的議論を引き起こしました。
「CBDオイルのおかげで人生を取り戻せた」
センター・グローヴのエディー・カイトは10年前に繊維筋痛と診断されました。体中に極度の筋肉痛が出る疾患です。
「体中の全ての筋肉が痛みます。動くこともできません。ベッドから出ることもできません。あまりにもひどかったので、自殺願望さえありました」
カイトはWTHR局に向けてこう話しました。医師は強力な鎮痛剤を処方しましたが、彼女の生活の質はあまり改善されませんでした。CBDオイルについて知った時、カイトは、どれも幅広い副作用を引き起こすように見える依存性処方薬に対する代替薬を見つけようと必死でした。
「文献を読んですぐに、最初のCBDオイルの瓶を持ち帰りました。そして5日以内に視界が晴れたようになったのです。エネルギーがありました。痛みのレベルもすごく低くなりました。まさにワオって感じでした。数年ぶりに自分が自分らしく感じられました。CBDは人生を取り戻してくれたんです」
同じく繊維筋痛、不安障害、うつ病に苦しむカイトの娘ミカエラも、CBDオイルが効いたと言います。
「ここ数年のうちで一番気分が良いですし、副作用も全くありません。本当に素晴らしいです」
アンジェラ・ホプキンスも同様の経験をしています。ホプキンスは先月、森を歩いている時に左の足首を3ヶ所骨折しました。
「私の足はあらぬ方向に曲がっていて、信じられないくらい痛かったので、すごく悪いんだなということが分かりました」ホプキンスは、病院送りとなった事故を思い起こしながら『13インヴェスティゲーツ』にこう語りました。「病院ではフェンタニルとディラウディッドを処方されました。どちらも最も強力な薬でしたが、私は25分おきにもっと欲しいと頼んでいました」
ベテランの看護師だった彼女はオピオイド系鎮痛剤の中毒になりたくなかったので、友人に痛みを緩和するのを助けるCBDオイルを提案された時に試してみようと思いました。
「以前に聞いたことがありました。読んだこともありました。しかし読むこと全てが真実であるとは限らないので、少し疑っていました」
疑念は長くは続きませんでした。数滴のCBDオイルを舌下に毎日投与することで、処方された鎮痛剤を1日4錠から1錠にまで減らすことができました。
「CBDオイルは本当に役に立ちました。本当にそう思います」
黄金の液体
では、CBDとは何なのでしょうか?CBDとはカンナビジオールの省略形です。この化合物は、ヘンプや大麻の源で知られる大麻草に含まれるものです。CBDは重篤な副作用や、オピオイド系処方薬によくみられる中毒性を持たずに鎮痛特性があるため、関節炎、慢性痛やてんかんに苦しむ人の間で人気となってきました。
大麻は、人をハイにさせる精神活性化合物のTHCを高濃度含みますが、ほとんどのCBDは産業ヘンプから作られており、ほんの微量しかTHCを含みません。大麻はインディアナ州で違法ですが、THCを0.3%未満しか含まない産業ヘンプ製品は大麻の定義または同じ分類とされないことが州法には明記されています。大麻の異なる種に対する恐怖や汚名、混乱のため数十年にわたって敬遠されてきた産業ヘンプは、現在全50州で合法です。
インディアナポリスの北西にあるジョージタウン・マーケット・ナチュラル・フード店のオーナー、リック・モンティスは次のように説明します。
「ヘンプのCBDは、医療大麻のCBDとは全く異なります。片方は合法で、もう片方は違法です。私たちは合法のCBDのみを販売していますし、特に法的観点からみてそこには大きな違いがあります」
CBD製品はバーム、スプレー、液体薬、カプセルなどで入手できます。
「CBDでハイになりことはありません。頭がふらふらしたり、吐き気を起こしたりすることはありません。これは大麻ではないのです。だから合法なのです」とカイトは言います。
6週間前、インディアナ州物品税警察がフレッシュ・タイムを強制捜査した後、その売り上げは止まりました。カイトと同様、その他数千のインディアナ州民が、インディアナ州でCBDオイルは合法だと思っていました。CBD製品は口コミや好意滴なお客様の声のおかげで、州中の健康食品店のヒット商品となりました。
警察による逮捕
シカゴ郊外にあるフレッシュ・タイム本社の幹部は、6月の強制捜査に関するWTHR局の電話に応えませんでしたが、南店の従業員は、強制捜査はショックだったと語りました。
「私たちはもうCBDを売ることはできません。警察が持って行ってしまったからです」
フレッシュ・タイムの従業員は話しました。従業員が会社の代わりに話す権限は無いので、この従業員は匿名です。なぜ捜査当局がCBDオイルを押収したのか聞かれ、彼女は肩をすくめました。
「インディアナ州に聞いてください。私には分かりません。CBDは大麻でも無いのに、警察は法の元で販売はできないと決めつけました。だから、棚から撤去しなければなりませんでした。バカバカしいです。とても多くの人がCBDの恩恵を受けています」
別の従業員は『13インヴェスティゲーツ』に対して、以前はCBDオイル製品で埋まっていた大きな鍵付き展示ケースが設置してあった健康補助食品コーナーを見せてくれました。現在は同じ場所にプリンターや事務用品が置いてあります。
「警察は、いつ製品を返してもらえるのか、またいつからまた販売できるのか教えてくれませんでした。多くの人に聞かれるのですが、新しい情報を確認するために電話してください、としか言えません」
インディアナ州酒・タバコ委員会(ATC)はWTHR局に対し、フレッシュ・タイムからのCBDオイル製品押収は、警察の日常業務の一環として行われたのだと認めました。
「我々は、タバコおよびアルコール飲料認可事業所における違法なCBDオイル所持や販売を実行しています。CBDオイルをインディアナ州で販売または所持するのは合法ではありません。所持が見つかった事業は、大麻所持および偽造規制薬物所持の予知容疑に関する酒・タバコ売上証明書の元で行政上、召喚されたのでしょう」
強制捜査が行われたのは6週間前ですが、インディアナ州物品税警察によると、検察官はフレッシュ・タイムに対する召喚状を見直していません。
顧客にとって衝撃のニュース
足首の手術から回復し、少量のCBDオイルを続けているホプキンスは、夫がオイルを補給するためにフレッシュ・タイムに行った時に強制捜査の話を知りました。
「夫は何も置いてなかったと言いました。何にもです。陳列棚は完全に空っぽでした」ホプキンスはWTHR局にこう話しました。
「なくなってしまいました。どのお店にも置いていません」フレッシュ・タイムでCBDを購入していたエディー・カイトは回想しました。「私は完全にパニック状態でした」
州全体に広がる衝撃
この強制捜査は、州内の他の食料品店にも驚きとなりました。取締の件を知り、多くの店はCBDオイル製品を販売するのをやめました。
「明らかに私たちの注目を集めました」モンティスは『13インヴェスティゲーツ』に、ジョージタウン・マーケットの陳列棚から撤去したCBDオイルを現在保管している店内後部の小さな部屋を見せながら、話しました。モンティスは、CBDオイルを小売店から押収するATCの見解に異議を唱えています。
「この件が解決するまでは、法体制を支持し、トラブルに巻き込まれないよう最善を尽くすのがベストです。州や政府当局は医療大麻CBDと産業ヘンプCBDの違いを理解する必要があると思います。これは全くの誤解だと思いますよ」
インディアナ州知事エリック・ホルコームがてんかん患者に対するCBD登録を作る法案に署名し、インディアナ州に住む治療抵抗性のてんかん発作に苦しむ患者に対してCBDオイル製品を合法化した数ヶ月後に、この誤解は起きました。ATCによると、新法は「一部の人に合法的にCBDオイルの所持を認めているだけ」であると言います。「しかし インディアナ州の小売店は、4月の法案署名より前からCBDオイルを販売しており、州による介入もありませんでした」
また強制捜査は、インディアナ州に広まっているオピオイド中毒と戦うという州知事による誓約に矛盾するように見えます。ホルコーム州知事は、薬物乱用および中毒を防止するための多岐にわたる取り組みの一環として、拡大しつつあるインディアナ州の薬物問題と戦うために建設的な解決策を見つける意志があることを示唆してきました。
「私は、今日の強力な薬物が市民の脳を文字通りハイジャックする例を数多く見てきました」この春、州知事はWTHR局に語りました。「我々はパートナーシップと答えを見つけなければなりません」
CBDオイルに頼っている人によれば、鎮痛剤への依存と戦う多くのインディアナ州民に希望と緩和をもたらしていた店頭販売のサプリメントへのアクセスを停止することは、間違った方向性だと言います。
「CBDオイルの在庫が無くなり、数日間入手できなかった時、痛みのレベルは非常に大きくなりました。1日1錠のオピオイド剤まで減っていたのが、あまりに痛みに耐えられないので、1日4錠に逆戻りしてしまいました」と」とホプキンスは語ります。
答えを探し求めて
CBDオイルの支持者は、答えを求めて州知事事務所に連絡したと言います
「電話して『なぜ陳列棚から撤去されたのですか?』とメッセージを残しましたが、電話は返ってきませんでした」とエディー・カイト。
WTHR局も州知事事務所に連絡しました。州知事の広報担当官ステファニー・ウィルソンはまだWTHR局の質問に答えていません。
インディアナ州検事当局は、先月のCBD強制捜査に関して認知していなかった、と『アイウィットネス・ニュース』に話しました。現在は、インディアナ州におけるCBDオイルの合法性に関する見解を提供するために、本件の調査を進めています。
インディアナ州ATCによるCBDオイルは違法だという発言について聞いて、全国トップのCBDオイル製造企業の一つがその見解は間違っていると話しました。CBDオイル生産者CVサイエンス社の広報担当官であり、ヘンプ農家でもあるジョシュ・ヘンドリックスは次のように話しました。
「私は、CBDまたは農業ヘンプから作られたCBDオイル製品に関して、その法の解釈には同意できません。なぜならそれは、ほぼいつも十分な教育がされていないから起こることだからです。警察は、単にヘンプと大麻の違いについて知識がないために、この代替的作物の市場の可能性を制限し、アメリカにおける産業の復興を抑制しているのです。しかし我々はその違いや、ヘンプから作られることのできる多くのCBDオイル製品の利点について、誰もが理解することを目指して尽力しています」
ハミルトンおよびブーン郡における薬物特別部隊を指揮するドワイト・フロスト少佐は、インディアナ州規約には産業ヘンプは違法ではないと明記されているので、CBDオイルが作られている場合はその製品も違法ではない、とWTHR局に対して話しました。「ヘンプはTHC濃度がとても低いのです」フロストは、インディアナ州ATCとは異なる法の解釈で説明しました。
連邦政府関係機関は、CBDに対してより懐疑的なアプローチを取っています。食品医薬品局は、CBDを含む製品は健康補助食品として販売することはできない、としています。US薬物取締局はCBDをスケジュールIの規制薬物であるみなしており、広く違法であると考えています。連邦政府関係機関もまた、産業ヘンプから作られたCBDオイル製品と医療大麻から作られたCBD製品を区別していません。
