オックスフォード大学の研究者は、痛み、癌および炎症性疾患の治療における大麻の医学的利点に関する、1000万ポンドの予算を持つ研究に着手します。
この研究は、大麻の医学的使用を認める法案を一部の国会議員が求め、そのような動きを58%の人々が支持することを示唆する世論調査を受けたものです。近年、多発性硬化症、てんかん、関節炎といった疾患の治療、また神経痛の対処における大麻の医療価値を裏付ける研究が数多く出てきました。
大麻研究計画と題された研究は、オックスフォード大学およびベンチャー投資会社であるキングスレー・キャピタル・パートナーズ社との協力のもと行われます。キングスレー・キャピタル・パートナーズ社は、カンナビノイド研究における卓越した国際的研究拠点を作るために、1000万ポンドを投資します。
オックスフォード大学ナフィールド産婦人科のアハメド・アハメド教授は、これまでの研究が新治療薬をもたらし得る素晴らしい発見を生み出しはじめたと語ります。「この分野は、がん患者に新たな治療機会を開発することに関して、大きく期待できます」
大麻で関節炎を緩和したパトリック・スチュワート
関節炎の症状を治療するために大麻を使用している俳優パトリック・スチュワートなど、著名人からのサポートも受けています。スチュワートはテレグラフ紙に対し、「2年前にロサンゼルスで医師の診察を受け、大麻系医薬品を登録済みの販売店から購入するための法的許可をもらいました。それが私の手の関節炎の症状に役立つだろうと助言されたんです」と語っています。
スチュワートは軟膏および食用バーを定期的に使用することで、夜も眠れるようになり、また日中には手にスプレーをすることで手の可動性が戻り、拳を作れるようになったと言います。
「この経験から、私はオックスフォード大学の大麻研究計画を熱烈に支持します」とスチュワート。
一目で理解:大麻と法律
・大麻はクラスB薬物に分類されている
・所持で逮捕された人は、5年以下の懲役および無制限の罰金に受ける可能性がある
・警察は大麻使用に対してより寛大なアプローチを取る一部の分野と一致するとみなすため、法を適用することができる
・2001年ロンドン南部のランベスで警察は、大麻の喫煙で捕まった人から単純に没収し、警告をするという計画をテストしました。このシステムは2002年に強化されました。
映画『X-Men』や『スター・トレック』で知られるスチュワートは、この件が自身のほか数百万人もの人に役立つことを望んでいます。
「これはイギリスにとって重要な前進です。この研究分野は、長い間、偏見、恐怖や無知によって妨げられてきたのですから」とスチュワートは言います。
現在のところ保守派も労働党も、医学的使用のための大麻の合法化を公式に支持していません。緑の党と自由民主党は少し前から大麻の医療使用の合法化を求めてきました。
多発性硬化症患者に使用されている、処方箋のみで入手できる薬品サティベックスは、イギリスで唯一認可された大麻系医薬品で、筋けいれんを緩和するために処方されています。しかし、精神作用性はなく、ハイになることはありません。
これまでのところ、NHS(国民健康保険)機関は、正当化するにはコストがかかり過ぎるとして、サティベックスの使用を却下しています。
出典:massroots
