よく聞く割にはわからない「抗炎症作用」
こんにちは!「抗腫瘍作用」、「抗増殖作用」、と紹介してきた「作用シリーズ」、本日は
抗炎症作用
です。
この抗炎症作用、CBD関連の記事で頻繁に目にしますよね。
でも、その割には具体的に何に効くのか、わからなかったりしません?
今日はちょっと一度きちんとCBDの抗炎症作用について、シンプルにまとめておこうと思います。
炎症性疾患だけでもこんなに・・・
「抗炎症作用」というわけですから、当ったり前ですが「炎症性疾患」に効くわけです。
で、この炎症性疾患、具体的にどんなものがあると思いますか?
「炎症性疾患」と呼ばれるものを挙げてみましょう。
★消化器系
潰瘍性大腸炎、クローン病
★皮膚系
アフタ性口内炎、結節性紅斑、壊疽性膿皮症、乾癬、苔癬、類天疱瘡、水疱性天疱瘡
★関節系
末梢性関節炎、強直性脊椎炎、関節リウマチ
★肝胆膵系
胆管炎、胆石症、膵炎、脂肪肝、肝炎、肝硬変
★腎・泌尿器系
尿路結石症、腎炎、ネフローゼ
★眼
強膜炎、ブドウ膜炎、虹彩炎、角膜潰瘍
★その他
血栓性静脈炎、慢性甲状腺炎、シェーグレン症候群
単に「炎症性疾患」を挙げただけで、こんなになってしまいました。ちなみにですが、胆管癌や悪性リンパ腫などの悪性腫瘍も、実は炎症性疾患と考えるようです。
「自己炎症性疾患」も
上記に挙げた疾患に内容が一部かぶりますが、通常言うところの「炎症性疾患」とはまた別個に「自己炎症性疾患」というものもあります。
ウィキペディアでは「自己炎症症候群」とされていますが、炎症とは言っても、自己免疫の異常による疾患ということです。
家族性地中海熱(FMF)、高IgD症候群、TNF受容体関連周期熱症候群、クリオピリン関連周期熱症候群、特発性周期熱症候群、PFAPA、スチル病、成人スチル病、肉芽腫病、Blau症候群、若年発症サルコイドーシス、クローン病、発熱病、PAPA、Majeed症候群、SAPHO症候群、血球貪食症候群、原発性血球貪食性リンパ組織球症、マクロファージ活性化症候群、補体病、遺伝性血管神経性浮腫、血管炎症候群、ベーチェット病、代謝病、痛風、偽痛風・・・
(ウィキペディア「自己炎症症候群」より)
炎症による疾患だけで、こんな量になってしまいました。この中で、カンナビノイドと関連付けて研究されているのが、
悪性関節リウマチ
潰瘍性大腸炎
クローン病
急性肺障害
自己免疫脳脊髄炎
などです。
いずれも殆どマウス・ラットの試験で、ヒトでの実験では好中球(白血球の一種で、炎症を起こしたときに殺菌を担う)に関する報告だけのようです。
参考:Inhibition of human neutrophil chemotaxis by endogenous cannabinoids and phytocannabinoids: evidence for a site distinct from CB1 and CB2.
抗炎症作用はカンナビノイドの有効性の中でも一番知られている作用なので、次回はもう少し詳しくまとめられたらと思います。